日本チェーンストア協会が2月22日に発表した2017年1月のチェーンストア販売統計は、既存店ベースで前年同月比マイナス1.6%になりました。
チェーンストア販売統計は、協会に属する会員企業57社、約9,481店舗の販売額を集計しており、1月の総販売額は1兆1,064億円と前年を下回りました。
会員企業は、食料品中心のスーパー、総合スーパー、ディスカウントショップなどとなっていて、かなり幅広くデータが集積されているのが特徴です。
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まず販売総額の推移をみてみましょう。
【チェーンストア販売統計-販売総額・前年同月比変化率の推移】
既存店ベースの前年比変化をみてみると、2014年4月の消費税増税以降3月までは弱く推移していて、12ヶ月連続前年比マイナスとなっていました。
2015年4月は一昨年の消費税増税後の買い控えの影響もあり13ヶ月ぶりに前年比プラスとなりました。その後2015年10月までプラスが続きましたがそれ以降はプラスになったりマイナスになったりを繰り返していて、全体として下降傾向です。
平成29年1月度は、食料品は野菜の相場高もあり農産品が好調に推移し畜産、惣菜も堅調でしたが、衣料品、住関品が天候不順の影響などもあり伸び悩やみ、総販売額の前年同月比(店舗調整後)は、2ヶ月連続でマイナスとなりました。
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続いて、商品別にみてみます。
【チェーンストア販売額-販売部門別シェア】
販売商品別のシェアでは、衣料品がシェアを増やし、住関品、食料品、サービズとその他がシェアを減っています。
主要商品ジャンルを中心に販売額の推移を前年同月比で表したものが以下になります。
【チェーンストア販売額-販売部門別 前年同月比変化率】
(注)前年同月比変化率は既存店ベース
商品ジャンル別の特徴は以下のようになっています。
食料品とその他以外はマイナス圏に入っています。
食料品(グラフ青線)については、相場高の影響もあり農産品が好調のため、1月は全体として前年比横ばいです。
好調 | 項目 | 不調 |
はくさい、大根、ジャガイモ、キャベツ、ブロッコリー、きのこ類、柑橘類、いちご、ぶどう、キウイフルーツ | 農産品 | きゅうり、里芋、アボカド、小松菜、柿、りんご、バナナ、グレープフルーツ |
牛肉、豚肉、ハム・ソーセージ、鶏卵 | 畜産品 | 鶏肉 |
刺身の盛り合わせ、マグロ、ぶり、海藻類 | 水産品 | たら、いか、丸魚、牡蠣、数の子 |
揚げ物、中華、焼き物、要冷惣菜、和・洋惣菜、寿司、弁当 | 惣菜 | |
乳酸菌飲料、冷凍食品、米、漬物、飲料、カレー・スープ類、アイスクリーム | その他食品 | 乳製品、袋麺・カップ麺、練り物、納豆、食用油、調味料 |
衣料品(グラフ赤線)は高気温の影響を受け秋冬物関連商品の動きが鈍くなったため、前年比マイナス9.1%です。
好調 | 項目 | 不調 |
ジャケット、ベスト、トレーナー、ジュアルパンツ・シャツ | 紳士衣料 | スーツ、コート、セーター、スラックス、アウター |
マニッシュスーツ、ブラウス・シャツ、レギンスパンツ | 婦人衣料 | コート、フォーマル、ジャケット、セーター、ニット |
紳士・婦人パジャマ、婦人スポーツウェア、婦人下着、男児アウター・セーター、ベビー用品、レイングッズ関連、子供ニット手袋 | その他衣料・洋品 | 紳士・子供肌着、男児・女児ロングパンツ |
住関品(グラフ緑線)は動きがまずまずだったため、前年比マイナス3.2%です。
好調 | 項目 | 不調 |
食器、調理用品、保存容器、ラップ・ホイル類、清掃用品、トイレ・バス用品、スリッパ、キャラクター玩具、文具 | 日用雑貨品 | ランドセル、フライパン、弁当箱、ステンレスボトル、ペーパー類、紙おむつ |
風邪薬、フェイスメイク、オーラルケア、衣料用洗剤、ハンドクリーム、ハンドソープ、漂白剤、マスク、カイロ | 医薬・化粧品 | ヘアメイク、ヘアケアー |
羽毛布団、毛布、敷パッド、枕、クッション | 家具・インテリア | 敷布団、マットレス、学習机、こたつ布団、リビングボート、収納用品、カーテン、カーペット |
エアコン、液晶テレビ、冷蔵庫、空気清浄機、乾電池 | 家電製品 | 暖房機器、洗濯機、デジカメ、除湿機、ミシン、炊飯器、管球・電球 |
キャット用品、スポーツバッグ、軽快車 | その他商品 | 電動アシスト自転車、ドックフード |
サービス(グラフ白線)の売上高の総販売額に占める割合は0.2%でした。
食堂・喫茶部門売上を除く商品供給高などいずれの売上にも属さないその他売上の総販売額に占める割合は6.3%でした。
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