チェーンストア2016年8月販売統計〜残暑の影響もあって衣料品、住関品が不調、マイナス2.9%〜
日本チェーンストア協会が9月21日に発表した2016年8月のチェーンストア販売統計は、既存店ベースで前年同月比マイナス2.9%になりました。
チェーンストア販売統計は、協会に属する会員企業57社、約9,413店舗の販売額を集計しており、8月の総販売額は1兆840億円と前年を下回りました。
会員企業は、食料品中心のスーパー、総合スーパー、ディスカウントショップなどとなっていて、かなり幅広くデータが集積されているのが特徴です。
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まず販売総額の推移をみてみましょう。
【チェーンストア販売統計-販売総額・前年同月比変化率の推移】
既存店ベースの前年比変化をみてみると、一昨年4月の消費税増税以降3月までは弱く推移していて、12ヶ月連続前年比マイナスとなっていました。
昨年4月は一昨年の消費税増税後の買い控えの影響もあり13ヶ月ぶりに前年比プラスとなりました。先月はプラス圏に戻りましたが、今月は再びマイナス圏です。
平成28年8月度は、食料品、衣料品、住関品ともに季節商品を中心に堅調に推移しましたが、後半衣料品は残暑が厳しかったこともあり秋物商材の動きが鈍く、また台風などの天候要因などもあり、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はマイナスとなりました。
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続いて、商品別にみてみます。
【チェーンストア販売額-販売部門別シェア】
販売商品別のシェアでは、衣料品がシェアを増やし、住関品、その他が減らしています。
主要商品ジャンルを中心に販売額の推移を前年同月比で表したものが以下になります。
【チェーンストア販売額-販売部門別 前年同月比変化率】
(注)前年同月比変化率は既存店ベース
商品ジャンル別の特徴は以下のようになっています。
食料品と衣料品以外はマイナス圏に入っています。
食料品(グラフ青線)については、全体でまずまずの動きが鈍かったから、8月は全体として前年比マイナス1.2%です。
好調 | 項目 | 不調 |
玉ねぎ、チェリートマト、ブロッコリー、とうもろこし、枝豆、アボガド、カット野菜、スイカ、もも、梨、ブドウ、キウイフルーツ | 農産品 | キャベツ、レタス、ナス、りんご |
牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵 | 畜産品 | ハム・ソーセージ |
刺身の盛り合わせ、マグロ、サーモン、海藻類 | 水産品 | カツオ、サンマ、うなぎ、近海魚 |
揚げ物、スナック、焼き物、中華、和・洋惣菜、米飯 | 惣菜 | 寿司 |
ヨーグルト、調味料、アイスクリーム、米、飲料、冷凍食品、酒類 | その他食品 | 麺類、練り製品 |
衣料品(グラフ赤線)は残暑が厳しかったこともあり秋物商材の動きが鈍かったから前年比マイナス9.7%です。
好調 | 項目 | 不調 |
カジュアルパンツ、カジュアルシャツ、ショートパンツ | 紳士衣料 | ジャケット、スラックス、ドレスシャツ |
スカート、カットソー、Tシャツ | 婦人衣料 | ブラウス、ボトム、コーディガン |
紳士肌着、婦人パジャマ、子供服、レイングッズ | その他衣料・洋品 | 子供肌着、紳士・子供パジャマ、水着 |
住関品(グラフ緑線)は季節商品を中心に堅調に推移したら前年比マイナス5.0%です。
好調 | 項目 | 不調 |
ランドセル、男児玩具、ぺ―パー類、キッチン・トイレバス用品 | 日用雑貨品 | ステンレスボトル、鍋、フライパン、紙おむつ |
フェイスケア、ボディケア、制汗剤や日焼け止め、オーラルケア、液体洗濯洗剤、殺虫剤 | 医薬・化粧品 | カウンセリング化粧品、芳香剤、ヘアケア |
羽毛布団、キルトケット、タオルケット、敷パッド、クッション | 家具・インテリア | 収納用品、敷布団、マットレス、カーテン |
冷蔵庫、洗濯機、扇風機、掃除機、管球・電池 | 家電製品 | エアコン、液晶テレビ、炊飯ジャー、ホットプレート |
電動アシスト自転車、アウトドア用品 | その他商品 | ペットフード、フィットネス、トラベルパック、スポーツシューズ |
サービス(グラフ白線)の売上高の総販売額に占める割合は0.3%でした。
食堂・喫茶部門売上を除く商品供給高などいずれの売上にも属さないその他売上の総販売額に占める割合は5.7%でした。
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