チェーンストア2016年3月販売統計〜気温低下の影響で衣料品、住関品が不調、マイナス0.3%〜
日本チェーンストア協会が4月21日に発表した2016年3月のチェーンストア販売統計は、既存店ベースで前年同月比マイナス0.3%になりました。
チェーンストア販売統計は、協会に属する会員企業57社、約9,362店舗の販売額を集計しており、3月の総販売額は10,729億円と前年を下回りました。
会員企業は、食料品中心のスーパー、総合スーパー、ディスカウントショップなどとなっていて、かなり幅広くデータが集積されているのが特徴です。
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まず販売総額の推移をみてみましょう。
【チェーンストア販売統計-販売総額・前年同月比変化率の推移】
既存店ベースの前年比変化をみてみると、一昨年4月の消費税増税以降3月までは弱く推移していて、12ヶ月連続前年比マイナスとなっていました。
昨年4月は去年の消費税増税後の買い控えの影響もあり13ヶ月ぶりに前年比プラスとなりました。
平成28年3月度は、食料品は農産品の相場高もあり好調でしたが、衣料品が中旬以降の気温低下の影響もあり春物商品が苦戦し、住関品の動きも鈍かったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)はマイナスとなりました。
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続いて、商品別にみてみます。
販売商品別のシェアでは、衣料品がシェアを増やし、食料品が減らしています。
主要商品ジャンルを中心に販売額の推移を前年同月比で表したものが以下になります。
【チェーンストア販売額-販売部門別 前年同月比変化率】
(注)前年同月比変化率は既存店ベース
商品ジャンル別の特徴は以下のようになっています。
食料品以外はマイナス圏に入っています。
食料品(グラフ青線)については、農産品の相場高もあり好調で3月は全体として前年比プラス1.6%です。
好調 | 項目 | 不調 |
はくさい、じゃがいも、なす、人参、トマト、きゅうり、たけのこ、カット野菜、柑橘類、リンゴ、バナナ | 農産品 | キャベツ、玉ねぎ、スナップエンドウ、きのこ類 |
牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵 | 畜産品 | ハム・ソーセージ |
刺身の盛り合わせ、マグロ、ぶり、貝類、海藻類 | 水産品 | サバ、いか、かに、えび、塩干物、魚卵 |
揚げ物、スナック、焼き物、和・洋惣菜、弁当、寿司 | 惣菜 | 特に無し |
ヨーグルト、乳酸菌飲料、食用油、カップ麺、米、アイスクリーム | その他食品 | 練り物、乳製品、豆腐 |
衣料品(グラフ赤線)は中旬以降の気温低下の影響もあり春物商品が苦戦したから前年比マイナス8.3%です。
好調 | 項目 | 不調 |
スーツ、長袖シャツ、ポロシャツ、カジュアルパンツ、ジーンズ | 紳士衣料 | ジャケット、スラックス、ドレスシャツ、カジュアルシャツ |
ジャケット、ニット、長袖ブラウス、カジュアルパンツ、カットソー | 婦人衣料 | フォーマル、スーツ、パンツ、スカート |
紳士・婦人肌着、紳士・婦人ナイトウェア、子供服、女児ロング・ハーフパンツ、靴下 | その他衣料・洋品 | 男児トレーナー、女児肌着、ベビー用品、婦人バック |
住関品(グラフ緑線)は季節商品の動きが鈍かったから前年比マイナス1.7%です。
好調 | 項目 | 不調 |
ステンレスボトル、ペーパー類、フライパン、タオル | 日用雑貨品 | ランドセル、紙おむつ、TVゲーム、男児玩具 |
医薬品、カウンセリング化粧品、フェイスケアー、ヘアケアー、オーラルケア、住居・衣料用洗剤、カイロ、 マスク |
医薬・化粧品 | ヘアメイク、芳香剤 |
ソファー、押入収納、羽毛布団、敷布団、毛布、バス・キッチン用品 | 家具・インテリア | 学習机、マットレス、カーペット、カーテン |
冷蔵庫、エアコン、洗濯機 | 家電製品 | 液晶テレビ・レコーダー、炊飯器、掃除機 |
ペット用品、フィットネス、電動アシスト自転車、園芸用品 | その他商品 | トラベル用品 |
サービス(グラフ白線)の売上高の総販売額に占める割合は0.3%でした。
食堂・喫茶部門売上を除く商品供給高などいずれの売上にも属さないその他売上の総販売額に占める割合は6.1%でした。
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