東京急行電鉄株式会社と小田急電鉄株式会社、大手私鉄の2社、社員になるならどちらがお得?(2017年入社版)

2021/08/19

東京急行電鉄株式会社と小田急電鉄株式会社、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。

ポイントは4つ

  1. 初任給
  2. 年齢ごとの給与水準
  3. 生涯給与
  4. 役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て鉄道業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

 

 

それぞれの特徴


【東京急行電鉄株式会社】

東京急行電鉄株式会社は首都圏の私鉄会社で渋谷を起点に東京から神奈川にかけての路線を持っています。
輸送人員では私鉄で最大です。
現在の京王、京急、小田急を合弁していた時期もありました。
鉄道事業の他には都市開発事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業などがあり、最近ですと渋谷や二子玉川の再開発が活発です。

 

 

【小田急電鉄株式会社】

首都圏の私鉄で新宿と小田原、片瀬江ノ島、唐木田を結ぶ路線を持っています。
小田急沿線以外の首都圏に住んでる方には江ノ島や箱根、御殿場に行く時に使うイメージがあるかもしれません。
鉄道以外にも不動産業や百貨店事業も扱っており、新宿駅西口から南口周辺に強みがあります。

 

業績は?


業績も比べておきましょう。

【26年度の業績:連結決算】 (単位円)

東京急行電鉄株式会社
会社
小田急電鉄株式会社
1兆671億
営業収益
5,187億
1兆831億
前年
5,232億
-1.4%
対前年度比
-0.8%
666億
経常利益
441億
411億
当期純利益
301億
648億
包括利益
500億
27.5%
自己資本比率
24.3%

 

営業収益では東京急行電鉄株式会社が小田急電鉄株式会社の2倍ほどあり、その差は5,500億円程あります。
経常利益では 東京急行電鉄株式会社が小田急電鉄株式会社の1.5倍ほどあり、その差は225億円程あります。
売上の成長率では東京急行電鉄株式会社は前年対比でマイナス1.4%、小田急電鉄株式会社はマイナス0.8%と両社とも売上を落としています。

 

初任給


これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。

【2017年4月入社社員初任給(単位:円)】

東京急行電鉄株式会社株式会社
学歴
小田急電鉄株式会社株式会社
232,100
修士
221,300
214,200
学士(4年制)
210,300

(注:両社ともに総合職の場合)
初任給は修士でも学士でも東京急行電鉄株式会社の方が高いようです。
差額は修士でおよそ11,000円、学士でおよそ4,000円です。

 

年齢ごとの給与


有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。

 

【2015年度3月決算の比較】

従業員数 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与(千円)
東京急行電鉄株式会社 4,267 40 18.5 7,531
小田急電鉄株式会社 3,593 39.5 18.6 7,428

 

従業員数は東京急行電鉄株式会社が小田急電鉄株式会社より700人程多いです。
平均年齢はほとんど違いがありませんが、東京急行電鉄株式会社が0.5歳高く、勤続年数もやはりほとんど違いがなく小田急電鉄株式会社が0.1年長いです。
平均年間給与にも大きな差はなく、東京急行電鉄株式会社の753.1万円に対し小田急電鉄株式会社は742.8万円と差は10万円ほどです。

 

【年代別推定年収 単位千円】

年齢 東京急行電鉄株式会社 小田急電鉄株式会社 差額
25 5,747 5,680 67
30 6,458 6,383 75
35 7,124 7,041 83
40 7,531 7,443 87
45 7,806 7,716 91
50 8,196 8,101 95

(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)

こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

 

 

全年齢層で東京急行電鉄株式会社が上回っていますがあまり大きな差ではありません。
25歳時でおよそ6.7万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ9.5万円の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。

 

 

生涯給与


この年収で生涯もらえる給与を計算します。
生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。
副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

 

会社名 生涯給与
東京急行電鉄株式会社 2億7,629万円
小田急電鉄株式会社 2億7,308万円

企業シムラ―検索

 

東京急行電鉄株式会社が小田急電鉄株式会社を321万円ほど上回っています。

 

 

役員報酬


取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
業績を反映して、役員報酬でも大きな差が生じているようです。

 

会社名 役員数 役員報酬(百万円) 役員賞与(百万円) オプション(百万円) 退職金
(百万円)
1人あたり総報酬(百万円)
東京急行電鉄株式会社 20 410 0 0 0 20.5
小田急電鉄株式会社 13 384 0 0 0 29.5

 

小田急電鉄株式会社が東京急行電鉄株式会社よりも1人当たりの報酬額(年額)では900万円多いです。

生涯で形成する資産


生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。

東京急行電鉄株式会社、小田急電鉄株式会社の現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。

 

東京急行電鉄株式会社 小田急電鉄株式会社 差額
65歳 4,758万円 4,695万円 63万円
85歳 2,978万円 2,968万円 10万円

65歳時東京急行電鉄株式会社63万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では10万円に縮まります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)

 

東京急行電鉄株式会社五郎(30歳)

小田急電鉄株式会社五郎(30歳)

東急VS小田急 2016-03-30 19.37.49

 

しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。

左が東京急行電鉄株式会社の方、右が小田急電鉄株式会社の方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)

システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索

 

結論


初任給は東京急行電鉄株式会社が修士でも学士でも上回ります。
総合職で修士の場合、差額は11,000円ほどです。
平均年収は大きな差ではありませんが、東京急行電鉄株式会社が小田急電鉄株式会社より10万円ほど多いです。
また全年齢層にわたって東京急行電鉄株式会社が小田急電鉄株式会社より多いですが差は大きくありません。
東京急行電鉄株式会社が生涯年収(従業員として)は小田急電鉄株式会社のそれに比べ321万円ほど多くなっています。
これも生涯年収としては大きな差とは言えません。
役員になってからの待遇では、年平均で900万円ほど小田急電鉄株式会社が上回りました。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、大きな差はありませんが、東京急行電鉄株式会社が65歳時も85歳時も小田急電鉄株式会社を上回っていて、85歳時の差額は10万円ほどです。

今回の比較では会社としての比較では大きな違いがありましたが、一従業員としてはどの比較でも大きな差はありませんでした。

そのため今回は引き分けとします。

平均年齢、勤続年数、給与が似ているのは戦前は同じ会社だった時期があったことも影響あるのかもしれません。

 

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