2月9日米国のCFTC(U.S. Commodity Futures Trading Commission:全米先物取引委員会)の先物ポジション報告をチェック!
報告が毎週水曜日に行われ、翌週の月曜日あたりにウェブサイトにアップされます。
海外のファンドの動向がわかり、大まかな相場の行方を見ることができます。 報告されているのは先物取引の枚数で12,500,000円相当の価値を取引しています。
表1が2月9日のポジションです。
薄緑色の箇所が」2月9日のポジションを表しています。これがプラスだとその通貨が買われている、その方向に動く可能性が高いことを示しています。
JPY(円)のポジションは43,232枚と大きくプラス。これは円を買う動きが強いことを表しています。前週からくらべて7万枚以上のプラスとなっています。一方EUR(ユーロ)はマイナスの63,314枚ですが、前週対比ではプラスの42,620枚と大幅な買い増加となっています。
世界的なリスクオフの円高(安全資産であると判断する投資家が多い)が進行中ですが、あまりにも急激な変化なので、反動も大きそうです。米国景気の状態が、中国や世界に影響を受けて悪化すると、まだまだ円高トレンドは継続する恐れがありしばらくは要注意です。
【表1:2月9日のCME通貨先物ポジション】
通貨 | 2016/2/9 | 1週間変化 | 変化率 | 1ヶ月変化 |
JPY | 43,232 | 77,143 | 178.44% | 77,143 |
EUR | -63,314 | 42,620 | -67.32% | 42,620 |
GBP | -36,300 | -40,434 | 111.39% | -40,434 |
AUD | -5,626 | 30,726 | -546.14% | 30,726 |
NZD | -9,139 | -14,728 | 161.16% | -14,728 |
CHF | -7,268 | -8,767 | 120.62% | -8,767 |
CAD | -51,935 | -33,040 | 63.62% | -33,040 |
【通貨先物ポジションの推移】
赤が日本円、オレンジがユーロになります。円もユーロも買戻し、買い残高が今年に入り、大幅に増えてきています。
【日本円の投機筋ポジションとドル円スポットレート】
図中の赤いエリアが日本円のネットポジションでこの1ヵ月程度で大きくプラスに戻したことがわかります。為替レート(図中の青い線)も円安から円高傾向に転換しています。
CME投機筋ネットポジションとは
CME(シカゴマーカンタイル取引所)の先物取引でオープンのポジションの枚数(売りと買い)が毎週報告されます。
時により大きくポジションを傾けて取引を行う投機的な市場参加者の動向は、FX取引を行ったり為替市場の方向性を探る上で、何等かの示唆を与えてくれます。シミュライズでは、シカゴ投機筋のポジション動向をフォローしています。
米国シカゴの通貨先物市場 (シカゴ・マーカンタイル取引所 CME:Chicago Mercantile Exchange) における通貨先物ポジション(建玉)の残高が、全米先物取引委員会(CFTC:Commodity Futures Trading Commission)により集計され、毎週HPに公表されています。
ポジションは大きく、ヘッジファンドやCTAなどの「投機筋」(Non-Commercial)と、貿易に関連した為替取引などの「実需」(Commercial)に分かれて公表されています。
投機筋ポジションデータは、ヘッジファンド等投機筋の動きを類推するヒントになり得ることから、市場の方向性を占う意味で市場参加者に注目されています。大口のヘッジファンドなどは手口がバレることを嫌がり、先物をあえて利用しないケースも多く、必ずしも彼らの動向が常に反映されるとはいえませんが、何等かの示唆を与えてくれる材料にはなります。