gumiとGunosy、ともにスマートフォンをメインにサービスを提供する2社ですが待遇面でどう違うのか比較してみました。
gumiとGunosy、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てベンチャーのスマホアプリ業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【株式会社gumi】
- 設立 2007年6月13日
- 資本金 8,840百万円(2015年4月末時点)
- 本社 東京都新宿区西新宿
- 従業員数 898名
- 売上高 2015年4月期 27,534百万円
- 経常利益 2015年2月期 234百万円(連結)
- 事業概要
- モバイルオンラインゲームの企画・開発・運営
株式会社gumiは、スマートフォン用ゲームアプリの制作会社です。
元々はフューチャーフォン用のプラットフォームのゲームやブラウザーゲームを作っていましたが現在はスマホ用のネイティブアプリにシフトしています。
【株式会社Gunosy】
- 設立 2012年11月14日
- 資本金 3,866百万円
- 本社 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー
- 従業員数 64名
- 売上高 3,165百万円(2015年5月期)
- 事業内容
- 情報キュレーションアプリ「Gunosy(グノシー)」の運営
- 「Gunosy(グノシー)」を通じたメディア事業
- 企業理念
- 「情報を世界中の人に最適に届ける」
株式会社Gunosyはダウンロード数1000万を超える情報キュレーションアプリ「Gunosy(グノシー)」の制作、サービスの運営をしています。
「Gunosy(グノシー)」は網羅性、速報性、パーソナライズ性の3点に注目し、多くのニュースサイトやブログか等にある膨大な情報群から、アルゴリズムによる機械学習によってユーザーの興味・関心を分析・学習し、ユーザーの求める情報を配信しています。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【2014年度の業績:連結決算】 (単位円)
gumi | 会社 | Gunosy |
275億3,493万 | 売上高 | 31億6,543万 |
111億9,282万 | 前年 | 3億5,905万 |
145.5% | 対前年度比 | 781.6% |
2億3,426万 | 経常利益 | 1億5,373万 |
1億9,122万 | 当期純利益 | 1億3,650万 |
2億5,698万 | 包括利益 | -(記載なし) |
70.6% | 自己資本比率 | 93.6% |
売上高はgumiがGunosyの8.7倍で、244億円ほど上回っていてます。
経常利益ではgumiが8,053万円上回っていて、当期純利益でもgumiが73億円上回っています。
売上の成長率ではどちらも大きく急成長しているのが分かります。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【gumi】
- 給与
- 年収:300万円〜700万円(職種により大きく異る)
- 毎月45時間分の時間外勤務見込み手当を含みます。
- 45時間の残業を義務付けるものではありません。
- 45時間を超える残業及び深夜残業・休日出社の場合は別途手当を支給します。
- 残業が45時間に満たない場合でも時間外勤務見込みは全額支給されます。
- 管理職、裁量労働制対象者に関しては上記の限りではありません。
- 年収:300万円〜700万円(職種により大きく異る)
- 勤務時間 10:00~19:00(所定労働時間8時間 休憩60分)
- 休日・休暇制度
- 週休2日制(土曜・日曜)
- 祝日
- 夏季休暇(3日)
- 年末年始休暇(原則12月29日~1月3日)
- 年次有給休暇(初年度10日間)
- 産前産後休暇、育児休暇、介護休業
- 慶弔休暇
- リフレッシュ休暇(正社員:入社2年経過後、連続5日。以降3年ごとに付与。)
- 待遇・福利厚生制度
- 交通費全額支給
- 年2回給与査定
- 各種社会保険完備(関東IT健康保険組合加入)
- 慶弔見舞金
- 服装自由
- 社内表彰制度
- 社内サークル
- フリードリンク
- 携帯端末購入支援制度
【Gunosy】
- 給与 記載なし
- 始業及び終業の時刻 9:30〜18:30
- 休憩時間及び休日
- 休憩:お昼休憩1時間
- 休日:土曜日・日曜日・国民の祝日・年末年始
- 休暇:有給休暇・夏季休暇・慶弔休暇・産前産後休暇・育児休暇
- 組織文化
- 残業しない文化、充実した健康診断制度など「長時間」ではなく「長期間」働ける仕組み
- コミュニケーション活性化のためのフリーアドレス制の導入、各種勉強会の実施
- (その他、MVP制度など)
どちらもベンチャー企業ということで新卒という枠組みでは募集していません。
そのため初任給の比較が出来ません。
両社を比較して面白いのはgumiの給与は時間外勤務を見込んだ給与を提示しているのに対し、Gunosyはそもそも残業をしない企業文化だとしていることです。
両社の労働時間に対する考え方が大きく違うことが分かります。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2014年度3月Gunosy、 2月末gumi、決算の比較(単体)】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
gumi | 259 | 33.8 | 2.1 | 5,591 |
Gunosy | 64 | 31.1 | 0.8 | 6,474 |
従業員数はgumiがGunosyより195人多いです。
平均年齢は殆ど変わりませんが、gumiが2.7歳高いです。
平均勤続年数はともに短いですがgumiが1.3年多く2倍以上の長さです。
平均年間給与はGunosyがgumiより88.3万円ほど高いです。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | gumi | Gunosy | 差額(Gunosy基準) |
25 | 4077 | 5074 | 997 |
30 | 4950 | 6280 | 1,330 |
35 | 5816 | 7090 | 1,274 |
40 | 6752 | 7479 | 727 |
45 | 7590 | 7545 | -45 |
50 | 8021 | 7612 | -409 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
40歳までGunosyがgumiを上回っていますが45歳からはgumiがGnosyを上回っています。
25歳時でおよそ99.7万円の差があり、最も差が開く30歳時133万円の差があります。
それ以降は差が縮まり45歳時には逆転し50歳時にはgumiがGunosyを40.9万円上回ります。
これらの年収は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社が別の業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っていて、そのため給与差が逆転しました。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入で
す。
会社名 | 生涯給与 |
gumi | 2億4,807万円 |
Gunosy | 2億6,384万円 |
Gunosyがgumiを1,577万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 退職金(百 万円) |
1人あたり総報酬(百万円) |
gumi | 3 | 88 | 0 | 0 | 0 | 29.3 |
Gunosy | 5 | 46 | 0 | 0 | 0 | 9.2 |
gumiがGunosyを2010万円ほど上回ります。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
gumi、Gunosyの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
gumi | Gunosy | 差額(Gunosy基準) | |
65歳 | 4,426万円 | 4,398万円 | -28万円 |
85歳 | 3,493万円 | 4,540万円 | 1,047万円 |
65歳時にgumiが28万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時では逆転してGunosyaが1,047万円上まわります。
これは退職直前まではgumiの方が給与が高かったためGunosyより支出が大きく、退職後の支出にもそれが影響しているためです。
そのため退職後しばらくはgumiの方が資産が多かったのですが、年を追う毎に差が縮まり逆転することになります。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がgumiの方、右がGunosyの方です。30歳には五郎と名前
がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
ベンチャーのため新卒採用がない2社ですがGunosyが生涯年収(従業員として)はgumiのそれに比べ1,577万円ほど多くなっていま す。
役員になってからの待遇はgumiがGunosyより2010万円多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると65歳時にはgumiが28万円、85歳時にはGunosyが1,047万円多いです。
そのため今回はGunosyの勝ちとします。
売上高が高い会社より成長率が高い会社の方が老後の資産が多いという結果となりました。
最新オリジナルニュースやジャンル別の記事については、ホームへどうぞ。