「郵便局」で馴染みが深い日本郵政グループの3社、日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命が上場しました。
この分析は弊社の年収推計アプリ 「ずば給」を使用しています。
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郵政3社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て郵政3社の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【日本郵政株式会社】
- 創業(郵便):1871年(明治4年)
- 設立:2006年1月23日 日本郵政株式会社法(2005年10月21日法律第98号)に基づく
- 資本金:3兆5,000億円
- 本社:東京都千代田区霞が関一丁目
- 従業員数:3,098名(2014年3月31日現在)
- 経営収益:14兆2,588億円(2014年度)
【株式会社ゆうちょ銀行】
- 設立:2006年9月1日
- 資本金:3兆5,000億円
- 本社:東京都千代田区霞が関一丁目
- 従業員数:12,889名(2015年3月31日現在)
- 経営収益:2兆782億円
【株式会社かんぽ生命】
- 設立:2007年10月1日
- 資本金:5,000億円
- 本社:東京都千代田区霞が関一丁目
- 従業員数:6,948名(2014年3月31日現在)
- 保険料等収入:5兆9,567億円
業績は?
業績も比べておきましょう。
【2014年度の業績:連結決算】 (単位円)
経常収益14兆2,588億2兆782億円保険料等収入:5兆9,567億円
資産運用収益:1兆4,607億円
会社 | 日本郵政株式会社 | 株式会社ゆうちょ銀行 | 株式会社かんぽ生命 |
前年 | 15兆2,401億 | 2兆763億円 | 保険料等収入:5兆9,116億円 資産運用収益:1兆5,406億円 |
対前年度比 | -6.5% | 0.1% | 保険料等収入:0.8% 資産運用収益:-5.2% |
経常利益 | 1兆1,158億 | 5,650億円 | 4,926億 |
当期純利益 | 4,826億 | 3,694億円 | 813億 |
包括利益 | 2兆2,120億 | 不明 | 4,579億 |
自己資本比率 | 5.2% | 5.58% | 2.3% |
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【日本郵政株式会社】
IT総合職
- 初任給
- 修士了/214,500円~240,240円(勤務地による)
- 大学卒/205,100円~229,710円(勤務地による)
(2016年4月見込/新卒採用実績がないため予定額)
- 諸手当
- 扶養手当
- 通勤手当
- 住居手当
- 超過勤務手当等
- 昇給
- 年1回
- 賞与
- 年2回
- 休日休暇
- 4週8休制
- 年次有給休暇・特別休暇
- (夏期・冬期・結婚・出産・忌引・ボランティア)
- 病気休暇
- 育児休業
- 介護休業等
- 待遇・福利厚生・社内制度
- 制度
- 各種社会保険
- 財形貯蓄制度
- 団体積立年金保険
- 諸施設
- 社宅(世帯用・独身用)
- レクリエーション施設
- 付属医療機関(逓信病院、郵政健康管理センター)
- 福利厚生が充実
- 時短勤務制度あり
- 産休・育児休暇取得実績あり
- 完全週休2日制
- 社宅・家賃補助制度あり
- 制度
- 勤務時間
- 原則として、1日8時間、1週40時間
※勤務場所により、変形労働時間制の場合があります。
- 原則として、1日8時間、1週40時間
- 教育制度
- 採用時研修
- 技術者研修のほか、充実した教育制度があります。
【株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命共通】
総合職
- 給与
- 修士了:214,500 ~ 240,240円
- 大学卒:205,100 ~ 229,710円
- 諸手当
- 扶養手当
- 通勤手当
- 住居手当
- 超過勤務手当等
- 昇給
- 年1回
- 賞与
- 年2回
- 勤務時間
- 原則として、1日8時間、1週40時間
- ただし、勤務種類により始業時刻・終業時刻は一定ではなく、また、勤務場所により変形労働時間制の場合があります。
- 休日休暇
- 4週8休制
- 年次有給休暇
- 特別休暇(夏期・冬期・結婚・出産・忌引・ボランティア)
- 病気休暇
- 育児休業
- 介護休業等
- 福利厚生
- 制度
- 各種社会保険
- 財形貯蓄制度
- 団体積立年金保険
- 諸施設
- 社宅(世帯用・独身用)
- レクリエーション施設
- 付属医療機関(逓信病院、郵政健康管理センター)
- 制度
初任給は大学卒も修士了も幅がありますが日本郵政株式会社も株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命共に同じ金額です。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較(単体)】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 (千円) |
|
日本郵政株式会社 | 3,062 | 43.1 | 16.1 | 7,618 |
株式会社ゆうちょ銀行 | 13,264 | 41.8 | 18.4 | 6,390 |
株式会社かんぽ生命 | 7,552 | 37.58 | 14.2 | 6,139 |
従業員数は
株式会社ゆうちょ銀行>株式会社かんぽ生命>日本郵政株式会社
の順に多いです。
平均年齢は
日本郵政株式会社>株式会社ゆうちょ銀行>株式会社かんぽ生命
の順に高いです。
平均勤続年数は
株式会社ゆうちょ銀行>日本郵政株式会社>株式会社かんぽ生命
の順に長いです。
平均年間給与は
日本郵政株式会社>株式会社ゆうちょ銀行>株式会社かんぽ生命
の順に高いです。
3社を比較すると、日本郵政株式会社は従業員数が少なく、平均年齢と平均年間給与が高いです。
株式会社ゆうちょ銀行は従業員数が日本郵政株式会社の4倍以上と多く、勤続年数が長いです。
株式会社かんぽ生命は平均年齢が低く平均勤続年数も短いからか、平均年間給与が一番低いです。
年齢ごとの推定給与は以下の通りです。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | 日本郵政株式会社(A) | 株式会社ゆうちょ銀行(B) | 株式会社かんぽ生命(C) | (A)-(B) | (A)-(C) | (C)-(B) |
25 | 5,132 | 3,550 | 3,737 | 1,582 | 1,395 | 187 |
30 | 6,351 | 4,581 | 4,823 | 1,770 | 1,528 | 242 |
35 | 7,170 | 5,453 | 5,742 | 1,717 | 1,428 | 289 |
40 | 7,563 | 6,145 | 6,470 | 1,418 | 1,093 | 325 |
45 | 7,630 | 6,855 | 7,218 | 775 | 412 | 363 |
50 | 7,698 | 6,971 | 7,340 | 727 | 358 | 369 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全年齢層で日本郵政株式会社が上回っています。
25歳時で株式会社ゆうちょ銀行とおよそ158.2万円の差があり、株式会社かんぽ生命と139.5万円の差があります。
もっとも差が開いたのが30歳の時で株式会社ゆうちょ銀行と177万円の差があり、株式会社かんぽ生命と152.8万円の差があります。
50歳時にはこれらの差がそれぞれ72.7万円、35.8万円と小さくなります。
これらの年収は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
3社とも違う業種のためカーブの上昇率等は異なっています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
日本郵政株式会社 | 2億6,683万円 |
株式会社ゆうちょ銀行 | 2億1,856万円 |
株式会社かんぽ生命 | 2億3,013万円 |
日本郵政株式会社が株式会社ゆうちょ銀行を4,827万円ほど、株式会社かんぽ生命を3,670万円上回っています。
株式会社かんぽ生命が株式会社ゆうちょ銀行を1,157万円上回っています。
生涯給与は
日本郵政株式会社>株式会社かんぽ生命>株式会社ゆうちょ銀行
の順に高くなっています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
同じグループだけあって大きな差は出ていません。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 退職金(百 万円) |
1人あたり総報酬(百万円) |
日本郵政株式会社 | 29 | 553 | 0 | 0 | 0 | 19.1 |
株式会社ゆうちょ銀行 | 27 | 592 | 0 | 0 | 0 | 21.9 |
株式会社かんぽ生命 | 28 | 562 | 0 | 0 | 0 | 20.1 |
株式会社ゆうちょ銀行が1人当たりの報酬額(年額)で日本郵政株式会社よりも280万円、株式会社かんぽ生命より180万円多いです。
株式会社かんぽ生命は日本郵政株式会社より100万円多いです。
生涯給与とは逆の結果となりました。
役員報酬は
株式会社ゆうちょ銀行>株式会社かんぽ生命>日本郵政株式会社
の順に高いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
日本郵政株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命の現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
【65歳時と85歳時の残り資産(単位:万円)】
年齢 | 日本郵政株式会社(A) | 株式会社ゆうちょ銀行(B) | 株式会社かんぽ生命(C) | 差額:(A)-(B) | 差額:(A)-(C) | 差額:(C)-(B) |
65 | 3,682 | 2,909 | 3,158 | 773 | 524 | 249 |
85 | 3,353 | 2,977 |
3,147 | 376 | 206 | 170 |
65歳時に日本郵政株式会社が株式会社ゆうちょ銀行を773万円、株式会社かんぽ生命を524万円上回ります。かんぽ生命はゆうちょ銀行を249万円上回ります。
これが85歳時では、日本郵政株式会社が株式会社ゆうちょ銀行を376万円、株式会社かんぽ生命を206万円上回ります。かんぽ生命はゆうちょ銀行を170万円上回ります。
また
しかし3者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
1番上が左が日本郵政株式会社の方、右が株式会社ゆうちょ銀行の方です。
2番目が左が日本郵政株式会社の方、右が株式会社かんぽ生命の方です。
3番目が左が株式会社ゆうちょ銀行の方、右が株式会社かんぽ生命の方です。
30歳には五郎と名前
がついています。(全企業共通ルール)
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結論
生涯年収(従業員として)は日本郵政株式会社が株式会社ゆうちょ銀行を4,827万円ほど、株式会社かんぽ生命を3,670万円上回っています。
役員になってからの待遇は、株式会社ゆうちょ銀行が1人当たりの報酬額(年額)で日本郵政株式会社よりも280万円、株式会社かんぽ生命より180万円多いです。
最後に65歳以降の資産額で比較すると日本郵政株式会社が株式会社ゆうちょ銀行を773万円、株式会社かんぽ生命を524万円上回ります。
85歳時では、日本郵政株式会社が株式会社ゆうちょ銀行を376万円、株式会社かんぽ生命を206万円上回ります。
生涯給与:日本郵政株式会社>株式会社かんぽ生命>株式会社ゆうちょ銀行
役員給与:株式会社ゆうちょ銀行>株式会社かんぽ生命>日本郵政株式会社
65歳時の資産額:日本郵政株式会社>株式会社かんぽ生命>株式会社ゆうちょ銀行
85歳時の資産額:日本郵政株式会社>株式会社かんぽ生命>株式会社ゆうちょ銀行
このような結果になったので今回は日本郵政株式会社の勝ちとします。
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