大手カレー外食チェーン「ココイチ」の愛称で親しまれているカレーハウスCoco壱番屋を擁する壱番屋がハウス食品の子会社になるという発表がありました。
そこで今回は内食のカレーやシチューで有名な大手加工食品メーカーのハウス食品と外食、中食のカレーで有名な壱番屋を比較してみようと思います。
ハウス食品と壱番屋、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て食品業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【ハウス食品】
- 創業 大正2年11月11日
- 資本金 99億4,832万円
- 本社 東東京都千代田区紀尾井町6番3号
- 従業員数 1,655名 (平成27年3月期・連結)
- 売上高 2,314億4800万円(平成27年3月期・連結)
ハウス食品株式会社は、大阪府東大阪市に本店・大阪本社を、東京都千代田区に東京本社を置く、即席カレールーを中心とする日本の大手食品メーカーである
【壱番屋】
- 設立 1982(昭和57)年7月1日
- 資本金 15億327万円
- 本社 愛知県一宮市三ツ井
- 従業員数 752名(平成27年5月末)
- 売上高 440億円(店舗売上高899億円)
愛知県の喫茶店のカレーから始まった世界最大のカレーチェーンCoCo壱番屋を展開しています。その他にもパスタ・デ・ココ、麺屋ここいち、にっくい亭を展開しています。現在店舗数は国内で1,261店舗、海外で143店舗あります。
CoCo壱番屋の特徴はカレーの辛さと量、ライスの量を選べる他、豊富なトッピングを選ぶことが出来きることです。30種類以上のレギュラーメニューと数種類の期間限定メニューで構成されています。また店内での提供である「外食」だけではなくテイクアウトやデリバリーといった「中食」もカバーします。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【2014年度の業績:連結決算】 (単位円)
ハウス食品 | 会社 | 壱番屋 |
2,314億 | 売上高 | 440億 |
2,326億 | 前年 | 425億 |
-0.5% | 対前年度比 | 3.5% |
110億 | 経常利益 | 47億 |
70億 | 当期純利益 | 27億 |
21億 | 包括利益 | 30億 |
76.86% | 自己資本比率 | 73.6% |
売上高はハウス食品が壱番屋の5.25倍で、1,874億円ほど上回っていてます。
経常利益、当期純利益でもハウス食品が壱番屋を上回っていて、経常利益で63億円、当期純利益で43億円上回っています。ぞれぞれ壱番屋の2.34倍、2.59倍です。
ハウス食品が買収するのですが、利益レベルでも差があります。
売上の成長率では壱番屋が前年対比で3.5%の成長を記録しているのに対しハウス食品はマイナス0.5%とマイナス成長です。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【ハウス食品】
2016年4月入社社員
- 給与(平成26年度実績)
- 修士了:221,000円
- 大学卒:209,000円
- 昇給 年1回(4月)
- 賞与 年2回(6月・12月)
- 勤務時間
- 本社・支店・研究所・海外事業所 8:50 - 17:35(休憩45分)
- 工場関係 8:30 - 17:30(休憩60分)
- 休日休暇
- 年次有給休暇
- 初年度10日・2年目11日・3年目12日
以降1年増すごとに2日増、最高20日まで
- 初年度10日・2年目11日・3年目12日
- 完全週休2日制
- 年末年始
- 夏期休日
- 創業記念日
- 特別休暇など
(年間休日126日、2015年度)
- 年次有給休暇
- 福利厚生
- 制度
- 財形貯蓄
- 社員持株会
- 退職金
- 海外研修
- リフレッシュ休暇
- 各種保険
- 24時間健康相談サービス
- 育児休業者支援サービスなど
- 施設
- 独身寮(全国事業所:ワンルームタイプ)
- 全国海外契約保養所
- 契約フィットネスクラブの利用など
- 制度
【壱番屋】
2016年4月入社社員
- 初任給
- 大卒・院卒・短大卒・専門・高専卒とも月給210,000円(基本給)+諸手当(2014年4月)
※勤務地を限定する職種(エリア限定)については 月給190,000円(基本給)+諸手当
- 諸手当
- 時間外勤務・深夜勤務 割増賃金支給
- 通勤旅費交通費
- 住宅手当
- 養育手当
- 単身赴任手当 等
- 昇給
- 【昇給随時】(毎月評価実施)毎月担当するスーバーバイザーが等級基準表に基づいて評価を実施。完全実力主義であり基準を越えれば等級が上がり、昇給します。
- 賞与
- 年2回(7月・1月)※独立候補社員はなし
- 勤務時間:勤務形態により異なります。
- 店舗勤務時及び独立候補社員
- 1カ月単位変形労働時間制 期間中の総労働時間160時間~177時間(暦により変動)シフト制により勤務します。
- 本部社員
- フレックスタイム制 (1日標準労働時間8時間)
- 店舗勤務時及び独立候補社員
- 待遇・福利厚生
- 社員寮全国完備(家具・家電付きワンルームマンション)※寮費20,000円 水光熱費込み
壱番屋の手当ての金額がわかりませんので手取りがどのくらいになるか不明ですが、基本給だけですと大学院卒で比較するとハウス食品が11,000円上回り、大学卒ですと壱番屋が1,000円上回ります。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較(単体)】
従業員数(グループ連結時) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
ハウス食品 | 226 | 42.3 | 18.3 | 8,000 |
壱番屋 | 683 | 37.1 | 8 | 5,030 |
平均年齢は5.2歳、平均勤続年数は10.3年ハウス食品の方が壱番屋より長いです。
平均年間給与はハウス食品が壱番屋より300万円ほど多くなっています。
壱番屋は若い社員が多いようです。
平均年間給与が300万円ほど差があることと勤続年数が2倍以上の差があるのが目立ちます。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | ハウス食品 | 壱番屋 | 差額 |
25 | 5,253 | 3,268 | 1,985 |
30 | 6,149 |
4,243 | 1,906 |
35 | 6,888 |
4,805 | 2,083 |
40 | 7,637 | 5,122 | 2,515 |
45 | 8,324 | 5,252 | 3,072 |
50 | 8,619 | 5,362 | 3,257 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全年齢層でハウス食品が上回っています。
25歳時でおよそ198.5万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ325.7万円の差があります。
これらの年収は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2社で違う業種のため(ハウス食品は食料品、壱番屋は小売業)カーブの上昇率が違っていて、30歳の給与差は25歳の給与差より少なくなっています。しかし35歳でまた差が大きくなり始めています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入で
す。
会社名 | 生涯給与 |
ハウス食品 | 2億7,908万円 |
壱番屋 | 1億8,129万円 |
ハウス食品が壱番屋を9,779万円ほど上回っています。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
業績を反映して、役員報酬でも大きな差が生じているようです。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 退職金(百 万円) |
1人あたり総報酬(百万円) |
ハウス食品 | 9 | 224 | 54 | 0 | 0 | 30.9 |
壱番屋 | 7 | 253 | 0 | 0 | 0 | 36.1 |
壱番屋がハウス食品よりも1人当たりの報酬額(年額)では520万円多いです。
生涯給与とは逆の結果となりました。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
ハウス食品、壱番屋の現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
ハウス食品 | 壱番屋 | 差額(ハウス食品基準) | |
65歳 | 4,249万円 | 1,217万円 | 3,032万円 |
85歳 | 2,284万円 | 123万円 | 2,161万円 |
65歳時にハウス食品が3,032万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時ではその差が2,161万円まで縮まります。
ハウス食品のほうが老後の資産が多いです。
しかし両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がハウス食品の方、右が壱番屋の方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
ハウス食品が生涯年収(従業員として)は壱番屋のそれに比べ9,779万円ほど多くなっています。
役員になってからの待遇は、年平均で520万円ほど壱番屋が上回りました。
最後に65歳以降の資産額で比較するとハウス食品が65歳時に3,032万円、85歳時に2,161万円多いです。
そのため今回はハウス食品の勝ちとします。
買収し親会社となる企業の方が老後の資産が多くなるという順当な結果となりました。
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