チェーンストア9月販売統計〜食料品が好調で6ヶ月連続プラス〜
日本チェーンストア協会が発表した9月のチェーンストア販売統計は、既存店ベースで前年同月比プラス2.9%と、6ヶ月連続のプラスとなりました。
チェーンストア販売統計は、協会に属する会員企業58社、約9,330店舗の販売額を集計しており、9月の総販売額は1兆380億円と前年を超えています。会員企業は、食料品中心のスーパー、総合スーパー、ディスカウントショップなどとなっていて、かなり幅広くデータが集積されているのが特徴です。
関連記事:
コンビニエンスストア9月売上〜カウンター商材や中食が好調で売上、客単価共に6ヶ月連続で前年を上回る〜
全国百貨店売上 2015年9月〜プラス1.8%で6ヶ月連続のプラス〜
まず販売総額の推移をみてみましょう。
【チェーンストア販売統計-販売総額・前年同月比変化率の推移】
既存店ベースの前年比変化をみてみると、昨年4月の消費税増税以降3月までは弱く推移していて、12ヶ月連続前年比マイナスとなっていました。今年4月は去年の消費税増税後の買い控えの影響もあり13ヶ月ぶりに前年比プラスとなりました。9月は食料品は農産品を中心に好調に推移したほか、衣料品、住関品では天候不順の影響も受けたもののまずまずの動きだったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)は、6カ月連続のプラスとなりました。
[SetAd category =”K”]
続いて、商品別にみてみます。
【チェーンストア販売額-販売部門別シェア】
販売商品別のシェアでは、6割強を占める食料品と住関品がシェアを減らし、それ以外の衣料品、その他がシェアを増やしています。
その主要商品ジャンルを中心に販売額の推移を前年同月比で表したものが以下になります。
【チェーンストア販売額-販売部門別 前年同月比変化率】
(注)前年同月比変化率は既存店ベース
商品ジャンル別の特徴は以下のようになっており、その他が大きく伸びてマイナス圏はサービスだけです。先月伸びた衣料品は少し落としていて住関品も小幅に落ちています。食料品は伸びています。
食料品(グラフ青線)については、農産品を中心に好調で、9月は全体として前年比プラス3.7%です。
好調 | 項目 | 不調 |
白菜、キャベツ、レタス、トマト、きゅうり、きのこ類、カット野菜、梨、ぶどう、バナナ、リンゴ、柑橘類 | 農産品 | セロリ、モモ、いちじく、カットフルーツなど |
牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵 | 畜産品 | ハム・ソーセージ |
刺身の盛り合わせ、マグロ、カツオ、アジなどの近海魚、切り身、塩さけ | 水産品 | さんま、スルメイカ |
揚げ物、スナック、和・洋惣菜、弁当、寿司 | 惣菜 | 中華、焼き物 |
ヨーグルト、食用油、調味料、おでんや鍋物関連商品、生麺類、乳製品、酒類 | その他食品 | 米、アイスクリーム |
衣料品(グラフ赤線)はその他衣料・洋品が好調で前年比プラス2.1%です。
好調 | 項目 | 不調 |
スーツ、ジャケット、ドレスシャツ、ポロシャツ、ニットベスト、カジュアルパンツ | 紳士衣料 | カジュアルシャツなど |
スーツ、ジャケット、カーディガン、レギンスパンツ、カジュアルシャツ | 婦人衣料 | フォーマル、カジュアルパンツなど |
紳士・婦人パジャマ、紳士・婦人肌着、紳士・婦人服飾雑貨、レイングッズなど | その他衣料・洋品 | 子供肌着、ベビーウェアなど |
住関品(グラフ緑線)は家電製品が好調で前年比プラス1.5%です。
好調 | 項目 | 不調 |
紙おむつ、ステンレスボトル、調理器具、ラップ類、ペーパー類、洗濯洗剤、住居洗剤、ランドセル | 日用雑貨品 | 男児キャラクター玩具 |
フェイスケア、消臭剤、防虫剤、マスクなど | 医薬・化粧品 | カウンセリング化粧品、ヘアメイク、ヘアケア、殺虫剤など |
リビング収納、収納ケース、羽毛布団、掛け布団や敷パッド、インテリア用品などの | 家具・インテリア | カーテン、カーペット |
冷蔵庫、洗濯機、液晶テレビ、掃除機、炊飯器、管球・電球など | 家電製品 | 特に無し |
フィットネス関連、ペット用品、電動アシスト自転車、スポーツ用品、トラベル用品など | その他商品 | 特に無し |
サービス(グラフ白線)は旅行関連やチケット販売などサービス関連の売上高の総販売額に占める割合は0.3%でした。
食堂・喫茶部門売上を除く商品供給高などいずれの売上にも属さないその他売上の総販売額に占める割合は6.0%でした。
最新オリジナルニュースやジャンル別の記事については、ホームへ どうぞ。