スポーツ用品業界は2020年の東京オリンピックにむけ、ビジネス拡大が期待されます。会社の業績が伸びれば、社員の待遇も必ず良くなります。
今盛り上がっているラグビーワールドカップ2015も2019年には東京で開催され、世界的なスポーツイベントが目白押しです。
そんな中日本の代表的なスポーツ用品メーカーの「ミズノ」と「アシックス」、働くならどちらがいいでしょうか?
人気のこの2つの会社を比較してみましょう。
ミズノとアシックス、両社の給与比較をするうえで以下のポイントに絞って行いたいと思います。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見てスポーツ用品業界の人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
それぞれの特徴
【ミズノ】
ミズノは(正式には美津濃株式会社)大阪市に本社を置く総合スポーツ用品メーカーです。
あらゆる種目のスポーツ用品、ウェアを手がけています。
特に野球でのシェアが強いようです。
その他にスポーツ施設の建設、運営、スクールビジネス並びにスポーツ機器の製造・販売などの事業も行っています。
以下は売上の内容です。
バランスの取れた売上となって居ます。フットウェアとアパレルが30%前後で競っています。
日本での売上が65.5%と中心となっており、海外売上の積み増しが課題です。
【アシックス】
アシックスは神戸に本社を置く日本のスポーツ用品メーカーです。
ランニングやスポーツシューズに強みを持っていて、マラソンやバレーボールで高いブランド力があります。
主にスポーツ向けの「アシックス」と一般向けシューズ・アパレルの「オニツカタイガー」のブランドを持っています。
「アスレチックスポーツ」「スポーツライフスタイル」「健康快適」の3つの事業領域(ビジネスドメイン)でビジネスを展開しています。
現在の売上の状況は以下のようになっています。
スポーツシューズが売上の80%を占めており、シューズを中核としたビジネスを展開しています。
日本は22%と米州(32%)、欧州(29%)に次いで第3位となっています。海外にバランスよく広がっています。
成長市場、特にアジアでの拡大が課題ですね。
業績は?
業績も比べておきましょう。
【26年度の業績:連結決算】 (単位円)
ミズノ | 会社 | アシックス |
1,870億 | 売上高 | 3,541億 |
1,832億 | 前年 | 3,294億 |
2% | 対前年度比 | 7.5% |
52億 | 経常利益 | 343億 |
33億 | 当期純利益 | 223億 |
84億 | 包括利益 | 458億 |
56.5% | 自己資本比率 | 46.5% |
(有価証券報告書より)
売上高はアシックスがミズノ1.89倍でその差は1,671億円ほどです。
経常利益、当期純利益でもアシックスがミズノを大きく上回っていて、経常利益で6.59倍、当期純利益で6.75倍です。
売上の成長率でもアシックスが前年対比で7.5%の成長を記録しているのに対しミズノは2%と差があります。
初任給
これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【ミズノ】
2016年4月入社社員
- 賞与
- 年2回(夏・冬)
- 予算達成時には別途、決算賞与あり
- 賃金改定 年1回(4月)
- 給与(2014年実績)
- 【院卒】224,000円
- 【大卒】208,000円
- 保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 諸手当
- 時間外手当
- 扶養手当
- 外勤手当
- 通勤費補助など
- 勤務時間
- 標準勤務時間9:30~18:00
※小売部門・工場部門は除きます。 - ※時間帯は事業所によって異なる
- ※事業所・部署によってフレックスタイム制度の適用あり
- 標準勤務時間9:30~18:00
- 休日休暇
- 土曜・日曜・祝日(一部出勤日となる土曜日あり。小売部門などは別途決定)
- 年間休日 118日
- 夏季連続休暇/年末年始休暇/勤続慰労休暇(5年毎)
- 年次有給休暇(1年目10日 最高年間20日)
- 福利厚生
- 【制度】
- 各種社会保険
- 確定拠出年金
- 持株会
- 財形貯蓄
- 自社商品購入特別割引
- 預金奨励金制度
- カフェテリアプラン制度
- 育児休職
- 介護休職 他
- 【施設】
- 契約保養所
- 独身寮(借上社宅) 他
- 【その他】
- スポーツ・文化クラブ
- 社員旅行 他
- 【制度】
- 教育研修
- 【階層別研修】
- 新入社員研修
- 2年次研修
- 3年次研修
- キャリアプラン研修
- 考課者訓練
- 【その他】
- テーマ別研修
- 部門別研修
- 海外研修勤務制度
- 資格取得奨励制度
- 通信教育援助制度
- 社内英会話教室 他
- 【階層別研修】
【アシックス】
2016年4月入社社員
- 給与(2014年度実績)
- 大学院博士課程修了:242,000円
- 大学院修士課程修了:223,700円
- 4年制大学卒:213,900円
- 昇級 : 年1回(4月)
- 賞与 : 年3回(夏季・冬季・決算)計4ヵ月+α(2014年度実績)
- 諸手当
- 住宅手当
- 家族手当
- 時間外労働手当 他
- 勤務時間 : 9:00~17:40(休憩1時間)
- 休日休暇
- 土日祝
- 年次有給休暇
- 特別休暇
- 慶弔休暇 他
※年間休日123日(2015年度実績)
- 福利厚生
- 各種社会保険完備
- 財形貯蓄制度
- 従業員持株制度
- ボランティア休職・休暇制度
- リフレッシュ休暇制度
- 社宅・独身寮制度
- 育児休業
- ・介護休業制度 他
- 教育・研修
- 内定者研修
- 新入社員研修
- 階層別研修
- Asics Business Leader School 他
大学卒では5,900円ほどアシックスが上回っていて、院卒では300円ほどミズノが上回っています。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較(単体)】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
ミズノ | 1,927 | 42.2 | 18.7 | 6,259 |
アシックス | 881 | 39.0 | 12.8 | 6,785 |
(有価証券報告書より)
従業員数はミズノがアシックスより1,000人ほど多く、2倍以上になります。平均年齢は3.2歳、平均勤続年数は5.9年ミズノの方がアシックスより長くなっています。
平均年間給与はアシックスがミズノより52.6万円ほど多くなっています。
【年代別推定年収 単位千円】
年齢 | ミズノ | アシックス | 差額 |
25 | 4,116 | 4,767 | 651 |
30 | 4,817 | 5,580 | 763 |
35 | 5,396 | 6,250 | 854 |
40 | 5,983 | 6,930 | 947 |
45 | 6,521 | 7,554 | 1,033 |
50 | 6,752 | 7,821 | 1,069 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索
全年齢層でアシックスがミズノを上回っています。
25歳時でおよそ65万円程度の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ107万円程度の差があります。
これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
2つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字を使っています。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
ミズノ | 2億1,865万円 |
アシックス | 2億5,326万円 |
アシックスがミズノを3,461万円ほど上回っています。
生涯給与で3,000万円以上の差ができているのは非常に驚きです。
子供1人の教育費が1,000万円とも言われていますから、3,000万円では3人分の教育費です。
企業の収益性の高さは確実に従業員の給与にも反映されていることが確認されました。
役員報酬
取締役の報酬を見て、社内で成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
業績を反映して、役員報酬でも大きな差が生じているようです。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 退職金(百万円) | 1人あたり総報酬(百万円) |
ミズノ | 11 | 270 | 30 | 0 | 0 | 27.3 |
アシックス | 7 | 134 | 94 | 20 | 0 | 35.4 |
(有価証券報告書より)
アシックスがミズノよりも1人当たりの報酬額(年額)では810万円多いです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
ミズノ、アシックスの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
ミズノ | アシックス | 差額(ミズノ基準) | |
65歳 | 4,314万円 | 4,619万円 | -305万円 |
85歳 | 3,242万円 | 2,606万円 | 636万円 |
65歳時にアシックスが305万円(貯蓄可能額が)上回ります。
これが85歳時ではミズノが636万円上回ります。
これは退職後の年金収入にはあまり差がありませんが、
定年退職後(65歳以上)の支出については退職前の年収にある程度比例すると仮定しています。
ここではアシックスの方がミズノの方に比べて老後に多くの出費をしてしまう可能性が高いという仮定をおいています。)
そのため65歳ではアシックスの方のほうが多くの資産を持っていますが、消費額を抑えないと、85歳ではミズノの方に簡単に抜かれてしまうことを意味しています。
(当システムでは65歳、85歳でプラス(貯金ができていること)になっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく減少したり、上手な運用や節約で大きく増加したりします。
左がミズノの方、右がアシックスの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
システムへ移動してほかの企業も見てみる。⇒ 企業シムラ―検索
結論
アシックスが生涯年収(従業員として)においてはミズノのそれに比べ3,461万円ほど多くなっています。
役員になってからの待遇も、年平均で810万円ほどアシックスが上回りました。
最後に65歳以降の資産額で比較すると、
65歳時はアシックスの方が305万円多いですが、
85歳時には逆転してミズノの方が636万円多いという結果になりました。
年収に応じて、出費が増えるのはある程度仕方がありませんが、出費を抑え目に生活をしていくことで、
将来の資産が大きく変化することは知っておくと便利です。
最新オリジナルニュースやジャンル別の記事については、ホームへどうぞ。