トヨタ自動車とNTTドコモは業種は違えど誰もが知る日本を代表すると大企業2社です。
今回は一生にわたりこの2社で働いた場合にどのようにお金について違うのかを見てみたいと思います。
この分析は弊社の年収推計アプリ 「ずば給」を使用しています。
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社員の目、従業員の目でこの会社を評価した場合にどのようになるのかを見ていきます。
ポイントは4つ
- 初任給
- 年齢ごとの給与水準
- 生涯給与
- 役員報酬
サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て商社人生の損得勘定を見ていきたいと思います。
docomo LTE データ通信カード
業績も比べておきましょう。
自動車業界と通信会社とは単純に比較することはできませんが、自動車業界は電気自動車や安全性能で飛躍的な革新が起きてきていますが、
携帯・モバイル産業でもロボット時代への取り組みが始まり、盛り上がるかどうかが楽しみです。
【26年度の業績】 (単位百万円)
会社 | 売上高 | 前年 | 成長率 |
トヨタ自動車 | 27兆2,345億 | 25兆6,919億 | 6% |
NTTドコモ | 4兆3、834億 | 4兆4、612億 | -1.8% |
売上高ではトヨタ自動車がNTTドコモのおよそ6倍ある結果です。
成長率でもトヨタが6%とプラス成長を記録している一方でドコモは―1.8%となっています。
自動車も通信・モバイル業界も世界でも戦える業界ですが、そこはトヨタが一歩先を行っているようです。
初任給
すでに社員の方は昔と今では少し違うかもしれませんが、これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。
【トヨタ自動車】
2014年4月入社社員
- 給与
- 修士了 月給226,000円
- 大学卒 月給204,000円
- 昇級 : 年1回(4月)
- 賞与 : 年2回(7月,12月)
- 諸手当:通勤費補助、超勤手当、家族手当 など
- 勤務時間
- 豊田本社(本社周辺の各工場含む)/8:30~17:30または8:00~17:00
- 東京本社、名古屋オフィス/8:45~17:45
※配属先によって勤務時間は異なる ※フレックス制度あり
- 休日休暇
- 年間休日 121日(2014年度)
- 豊田本社(本社周辺の各工場含む)/完全週休2日制(土・日)、GW・夏期・年末年始休暇
- 東京本社、名古屋オフィス/完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始休暇
※その他、年次有給休暇・特別休暇あり
- 年間休日 121日(2014年度)
- 福利厚生
- 施設
- 寮・社宅
- スポーツ施設
- 保養所など
- 制度
- 選択型福利厚生制度
- 持家補助制度
- 従業員持株会制度
- 財形貯蓄制度など
- 施設
【NTTドコモ】
2015年4月入社社員
- 給与
- 博士了 月給282,130円
- 修士了 月給233,620円
- 大学卒 月給208,920円
- 高専卒 月給183,080円
- 短大・専門卒 月給180,570円
- 昇級 : 年1回(4月)
- 賞与 : 年2回(6月、12月)
- 勤務時間:1日につき7時間30分(標準的な勤務時間9:30~18:00)
※部署によりフレックスタイム制あり
- 休日
- 4週につき8日の週休日、祝日、年末年始の休日(12/29~1/3) ※部署によりシフト勤務制あり
- 休暇
- 年次有給休暇(年間20日)
- ライフプラン休暇(リフレッシュ・介護・育児・ボランティア等)
- 夏季休暇(5日)結婚休暇(5日)
- 忌引休暇(1~10日)
- 介護のための短期の休暇(5日)
- 病気休暇等
- 慶弔休暇
※2014年度年間休日:125日
- 福利厚生
- 保養所
- スポーツ施設
- 財形貯蓄制度各種貸付制度
- 各種貸付制度
- 保険 : 社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)
- 健康管理
- 定期健康診断の実施(年に1回)
- 人間ドック・脳ドックの実施(カフェテリアプラン※ )
- 社外カウンセリング窓口の開設等
- 住宅に関する諸制度
- マイホーム取得のための支援
- 住宅補助費の支給
- 社宅の措置 等
- 出産・育児に関する諸制度
- 妊娠中の通勤緩和措置
- 妊娠中、出産後の健康診査等にかかる措置
- 出産休暇(産前6週間、産後8週間)育児休職(3歳まで)
- ライフプラン休暇(育児)
- 育児時間
- 看護休暇(5日)
- 育児により退職した社員の再採用
- 育児のための短時間勤務、時間外勤務・深夜業の制限
- 財産形成貯蓄活用給付金(カフェテリアプラン※ )
- 育児支援サービス(カフェテリアプラン※ )等
- ※カフェテリアプラン 選択型福利厚生
初任給ではややドコモの方が高いようです。比較できるのは大卒、修士卒だけですが、ドコモがやや上回っています。
ドコモはさらに女性の働く環境についての主張が全面に出ており、出産・育児に関する諸制度がうたわれています。
初任給ではドコモがやや好条件と思われます。
年齢ごとの給与
有価証券報告書の情報から取得できる情報は以下のようになっています。
【2015年度3月決算の比較】
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与(千円) | |
トヨタ自動車 | 70,037 | 39.1 | 15.8 | 8,383 |
NTTドコモ | 7,344 | 39.4 | 16.6 | 8,479 |
年齢ごとの推定給与は以下の通りです。
若干ドコモの方が勤続年数が長くなっています。
それではこの数値をもとに業界の給与カーブ等の統計を考慮し、年齢別の平均給与を計算してみます。
【推定年収 単位千円】
年齢 | トヨタ自動車 | NTTドコモ | 差額 |
25 | 5,877 | 5,206 | 671 |
30 | 6,878 | 6,320 | 558 |
35 | 7,705 | 7,426 | 279 |
40 | 8,543 | 8,622 | -79 |
45 | 9,312 | 9,692 | -380 |
50 | 9,642 | 10,242 | -380 |
(両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。)
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35歳まではトヨタがドコモを上回っていますが、40歳を過ぎるとドコモがトヨタを上回ります。
25歳時でおよそ60万円トヨタが上ですが、50歳時ではおよそ60万円ドコモが上回っています。
なぜこのような逆転が起こるかというと、業種別の給与カーブの形状が原因です。
給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。
トヨタとドコモは違う業種のためカーブの上昇率等は違った数字が使われています。
輸送機器の業界と通信の業界のカーブの形状が
通信よりも輸送機器業界の方が傾斜が緩く、年齢を重ねても給与がそれほどはアップしないためこのような現象がおこっています。
若いうちはトヨタの方の給与が良かったのですが、徐々に差が縮まり、両者が逆転し、40歳になるとドコモの方が給与が良くなります。
年齢次第で給与はどちらが良いかは違いますが、ドコモがやや有利となります。
生涯給与
この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。
会社名 | 生涯給与 |
トヨタ自動車 | 3億1,211万円 |
NTTドコモ | 3億1,675万円 |
ドコモがトヨタを400万円の上回ります。
如何に互いがライバルとして認識し、給与レベルで同水準を保つことで、より優秀な人材を獲得したいと戦っていることを知る指標でもあります。
役員報酬
最後に経営の責任を担う取締役の報酬を見て、大成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。
会社名 | 役員数 | 役員報酬(百万円) | 役員賞与(百万円) | オプション(百万円) | 1人あたり総報酬(百万円) |
トヨタ自動車 | 17 | 835 | 885 | 0 | 101.2 |
NTTドコモ | 20 | 417 | 98 | 0 | 25.8 |
役員の数はドコモが多いのですが、トヨタ自動車がNTTドコモよりも1人当たりの報酬額では7,540万円多いです。
ドコモは業績がやや低迷ということもあり、かなり抑え目の報酬となっています。
トヨタが平均で1億を超えていることを考えると、大きな差異となっています。
これは明らかにトヨタがかなり好条件のようです。
生涯で形成する資産
生涯で形成される資産はいくらになっているかを計算してみました。
両者とも平均的な支出を一生続けたとしてどれくらいの資産が65歳、85歳のときに残っているかを推計します。
トヨタ自動車、NTTドコモの現在30歳の方を例に計算を行います。
結果はシミュライザー(人生計画システム)で計算すると以下のようになりました。
トヨタ自動車 | NTTドコモ | 差額 | |
65歳 | 5,207万円 | 7,033万円 | 1,826万円 |
85歳 | 2,523万円 | 4,848万円 | 2,325万円 |
- 65歳時にドコモが1,826万円上回ります。
- 85歳時にはその差が2,325万円に広がります。
しかし差はあっても、両者とも安定的な老後が約束されているようです。
(当システムでは85歳でプラスになっていることを一つの目標にしています。)
しかし使いすぎや、病気、運用の失敗(シミュレーションでは預金しかつかっていません。)で大きく異なることになります。
左がトヨタ自動車の方、右がNTTドコモの方です。30歳には五郎と名前がついています。(全企業共通ルール)
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結論
スタートはトヨタ自動車の方が給与が良かったですが、40歳になるとドコモの方が給与が良くなり、ドコモの方が生涯年収(従業員として)は多いようです。
また役員になってからの待遇はトヨタ自動車の方が平均で7,540万円ほど多いです。
65歳時、85歳時の資産はともにドコモの方がよく、85歳時の方が差が広がっていたのでドコモの勝ちとします。
(トヨタで役員になれると一発逆転となります。出世できると良いですね。)
人生確かめたい、見直したい方は
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