三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループの銀行対決　どっちで働くのが得か？

三菱UFJFGとみずほFGは両社とも日本を代表する金融機関ですが、この2社が待遇面ではどう違うのか見てみることにしました。

すべて有価証券報告書の情報とウェブサイトのホームページ上で掲載されている公的な情報から計算をしています。

両者の比較を今回は試みたい。

ポイントは４つ

初任給
年齢ごとの給与水準
生涯給与
役員報酬

サラリーマンとして一生をこの会社で過ごし、役員までに到達した場合の報酬の差を見て商社人生の損得勘定を見ていきたいと思います。

生い立ち

2社は多くの金融機関が合併してできた銀行の持ち株会社です。

【三菱UFJFG】

「Quality for You」

前身の旧三菱銀行、旧三和銀行、旧東海銀行、旧東京銀行の流れを汲み、2001年4月2日に株式会社東京三菱銀行（現・株式会社三菱東京UFJ銀行）、三菱信託銀行株式会社（現・三菱UFJ信託銀行株式会社）及び日本信託銀行株式会社（2001年10月1日に三菱信託銀行株式会社に吸収合併され消滅）が株式移転し、株式会社三菱東京フィナンシャル・グループとして設立されています。2005年10月1日に株式会社UFJホールディングス（登記上は株式会社ユーエフジェイホールディングス）を吸収合併し、現在の商号に変更した。

【みずほFG】

「One MIZUHO」

旧第一勧業銀行、旧富士銀行、旧日本興業銀行およびその関連企業を合併・再編したことによって2000年に発足したみずほホールディングス（現・みずほフィナンシャルストラテジー）の子会社として2003年1月に発足し、同年3月に親子関係を逆転して、みずほグループの統括企業となったものです。みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券の金融関係の企業からなる企業グループを指します。

業績

業績も比べておきましょう。

【26年度の業績】　（単位円）

会社	連結当期純利益（百万円）	連結包括利益（百万円）	連結当期純利益前年	連結包括利益前年
三菱UFJFG	1,033,759	3,455,231	984,845	1,708,923
みずほFG	611,935	1,941,073	688,415	832,927

（日本基準での売上になります。）

連結当期純利益では4,218億ほど三菱UFJFGが多い結果となっています。

連結包括利益でも1兆5,142億ほど三菱UFJFGが多い結果となっています。

かなりの収益額の差となっています。三菱UFJFGは1兆円越えを果たしています。

売上や収益だけでは企業の状況は判断しにくいですが、規模の差はかなり生じてきています。

詳細データはこちらから

初任給

すでに社員の方は昔の就職時と今では少し違うかもしれませんが、これからの就職する方のために初任給制度を掲載しておきます。

【三菱UFJFG】

2015年4月入社社員

給与
- 総合職・総合職（特定）
  - 修士了：月給23万円
  - 大学卒：月給20万5,000円
- アソシエイト職
  - 修士了：月給22万円
  - 大学卒：月給19万5000円
  - 専門・短大卒：月給17万5000円
昇級 : 規定による
賞与 : 年2回
勤務時間 : 8時40分〜17時10分（特定日　 8時40分〜17時30分）
休日 : 完全週休2日制（土曜日、日曜日）、祝日、年末年始、特別休日※2014年度年間休日：125日
休日休暇 : 原則、完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始等。有給休暇制度あり
諸手当 : 通勤交通費実費支給、昼食費補助等
教育制度
- 社員研修：新入行員から経営層まで一人ひとりのCDP(Career Development Plan)にあわせ階層別および業務別に高度な専門性を身に付けることのできる内容を用意
- 外部派遣
  - 海外留学生(ハーバード大学・スタンフォード大学・マサチューセッツ工科大・ノースウエスタン大・カリフォルニア大等)
  - 国内留学生(慶應義塾大学大学院経営管理研究科［MBAプログラム］等)
  - 海外若手派遣(ヨーロッパ・南米・アジア等の各国の大学、語学学校で語学を習得した後、当該拠点で業務を行う)等

【みずほFG】

2015年4月入社社員

給与
- 基幹職
  - 院卒：初任給23万円
  - 大卒：初任給20万5,000円
- 特定職
  - 大卒：初任給19万5,000円
  - 短大卒：初任給17万5,000円
昇級 : 年1回（4月）
諸手当 : 通勤補給費全額支給、昼食費補助等
勤務時間 : 始業時刻8時40分・終業時刻17時10分
休日休暇 : 完全週休2日制、祝日、年末年始、年間休日約120日、その他長期休暇制度等の有給休暇有り
保険 : 雇用・労災・健康・厚生年金等
福利厚生
- 各種社会保険完備
- 持株会制度
- 事業所内保育所
- ベビーシッター育児割引制度
- 社員毎のニーズに応じた住宅関連制度
- 財産形成支援制度
- 余暇支援制度等

総合職と基幹職、アソシエイト色と特定職がそれぞれ同じ職務だとすると給与に違いはありません。よって引き分け

年齢ごとの給与

有価証券報告書の情報を抜粋すると以下のようになります。

	従業員数	平均年齢	平均勤続年数	平均年間給与（千円）
三菱UFJFG	1,231	40	15.9	11,132
みずほFG	1,152	40	17	9,477

平均年齢は全く一緒なのですが、これはあくまでもフィナンシャルグループの持株会社の情報になります。

これらの情報と業界の標準的な給与カーブを使用して、年齢ごとの給与を推定すると以下の通りになります。

【推定年収　単位千円】

年齢	三菱UFJFG	みずほFG
25	6,431	5,475
30	8,299	7,065
35	9,879	8,410
40	11,132	9,477
45	12,419	10,573
50	12,629	10,751

（両者とも平均年間給与は、賞与及び超過勤務手当を含みます。）

こちらからほかの企業も検索⇒企業シムラ―検索

全年齢層で三菱UFJFGが高めなようです。

25歳時でおよそ100万円の差があり、ピーク時の50歳時ではおよそ190万円の差があります。

給与水準では三菱UFJが恵まれていることがわかります。

（これらの数値は有価証券報告書から平均年齢、平均年収等を取得し計算をしております。）

給与カーブの形状等は統計局の産業別のカーブ構造を反映させております。　２つとも同じ業種のためカーブの上昇率等は共通の数字になります。

生涯給与

この年収で生涯もらえる給与を計算します。生涯給与といってサラリーマンとしての収入の総額です。副業等一切なくこの会社からのみの収入です。

会社名	生涯給与
三菱UFJFG	3億9,593万円
みずほFG	3億3,706万円

企業シムラ―検索でいろいろな企業の人生計画を観察することができます。

生涯給与の差はおよそ5,900万円となりなす。

家一軒の金額ほど違うとは驚きです。（もちろん個人差はあり、会社内での出世の状況や手当等でかなりことなる結果もあり得ます。）

しかし一般的には両者ともたいへん恵まれた金額といえます。

役員報酬

最後に経営の責任を担う取締役の報酬を見て、大成功して偉くなった場合にどれだけの報酬がもらえるのかをイメージしてください。

会社名	役員数	役員報酬（百万円）	役員賞与（百万円）	オプション（百万円）	1人あたり総報酬（百万円）
三菱UFJFG	16	652	174	51	63.8
みずほFG	12	217	0	0	30.0