外食産業6月売上~全体で売上高が前年を下回り97.7% ファミレスは26ヶ月連続で売上を伸ばす〜
日本フードサービス協会が行う外食産業の市場動向調査の2015年6月の結果が発表されました。
6月は、九州南部を除き天候の乱れはありませんでしたが、日曜日が前年より1日少なかったため、とくにファミリー層に需要の多い業態は客数を落としました。
業態別では引き続きファミリーレストラン、ディナーレストランが客単価上昇による好調が維持されている一方、ファーストフード洋風での売上が低迷していて、外食産業全体の売上は前年同月比で97.7%と再びマイナスとなりました。
3月に前年同月比95.4%と落ち込むものの2ヶ月で持ち直し5月は前年同月比で100.8%と僅かですがプラスに転じました。しかし6月は再びマイナスに落ちました。
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【外食産業市場動向調査 売上高前年同月比の推移】
(注)日本フードサービス協会公表資料よりシミュライズまとめ。 以下同様
続いて利用客数、客単価についても推移を見てみましょう。
【外食産業市場動向調査 利用客数前年同月比の推移】
利用客数は2013年半ば以降、全体として減少傾向で、2014年1月以降前年を上回る月はありません。
ディナーレストラン業態、喫茶店業態はほぼ前年と同水準を保っていますが、ファーストフードが前年比93.6%、居酒屋などが前年比95.5%と落ち込んでいます。
【外食産業市場動向調査 客単価前年同月比の推移】
一方、客単価は全体としてゆるやかな上昇傾向で前年割れしている業態でも99%以上を維持しています。利用客数の減少を客単価で補っている状態と言えます。
業態別の概況:
- ファミリーレストラン業態(売上高前年比101.3%)休日の日数が減った影響もあり「焼肉」以外の業種で客数は前年を下回りました。しかし全ての業種で客単価が前年を上回り、客数が減ったものの売上高は前年比プラスです。売上高は26ヶ月連続で前年を上回りました。
- ディナーレストラン業態(売上高前年比105.8%)
出店効果で客数がプラスとなったことに加え、客単価が引き続き好調で、売上は前年を上回りました。
- ファーストフード業態(売上高前年比94.1%)全体売上は94.1%と前年を下回りました。
- 洋風は、キャンペーンやフェアメニューが奏功し好調となったところもあったが、異物混入問題の影響から抜けだせずにいて、売上は87.2%と大きくマイナスとなりました。
- 和風は、引き続き客数は厳しいものの客単価は上昇し、売上は100.5%となりました。
- 麺類は、店舗数の増加や新メニューが好調で客数・客単価ともに伸び、売上は105.4%。
- 持ち帰り米飯・回転寿司は、一部で昨年のキャンペーンによる客数増の反動で一部店舗の客数が減少、売上は前年を下回りました
- その他は「アイスクリーム」の販促キャンペーンなどが好調で、客単価は下がりましたが客数じゃは増え売上はプラスとなりました。
- パブ・居酒屋業態(売上高前年比94.9%)
- 「パブ・ビアホール」は客数は増えていますが、客単価が下がっていて売上は前年を下回りました。
- 「居酒屋」は店舗数が減少している影響もあり、引き続き客数・売上はマイナスとなりました。
マクドナルドの売上高など
外食産業全体が伸び悩んでる原因の一つにマクドナルドの苦戦が挙げられます。賞味期限切れ鶏肉を使っていたことが発覚してから急激に悪くなったのは事実ですが、一度2013年から売上げデータを確認してみようと思います。
グラフを見るとお分かりになると思いますが、鶏肉問題が起こる1年以上前の2013年4月以降客数が前年を上回ることがありません。2013年5月からは問題が発覚する前の2014年6月まで常に客単価が前年を上回っていました。
ですが、客数の減少を客単価の上昇で補うことは殆ど出来ておらず、全店売上高、既存店売上高共に殆どの月で前年を下回っているのが分かります。
食の安全性が問題になる以前からマクドナルドは問題を抱えていたことになり、食の安全性をアピールするだけではマクドナルドを立て直すのは難しいと思われます。
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