大塚家具　vs ニトリ 就職するならどっち？ 社員の給与はどう違う？

今、旧会長の父と社長の娘との間の経営をめぐる騒動などの話題を振りまいていた家具小売りの大手企業、大塚家具。 おわびとして開催していたセール「大感謝フェア」では、想定を上回る客足で接客が追いつかず、当初予定の開催日程を延長していました。
　

お家騒動の間は客足も減少、売上は前年比で落ち込みを見せています。 一方で、騒動によって大塚家具の名前はお茶の間を隅々まで広がり、比類ない宣伝効果があったことは事実で、それが好調なおわびセールの客足に繋がっていると考えられます。
　

ここでは、大塚家具を、そのライバル企業、家具・インテリア用品の小売り販売の全国最大手のニトリホールディングスと比較して見てみたいと思います。

大塚家具とニトリの業績推移の比較

まず、大塚家具とニトリの売上と経常利益の過去推移を比べてみましょう。
　

(注)各社有価証券届出書よりシミュライズまとめ
　

2000年代初め、両社の売上高や経常利益は、差が2割程度と似たような水準にありました。 ところがその後ニトリが売上高を順調に増大させ、さらに利益率を伸ばすことによって利益も拡大させ続けた一方で、大塚家具の売上は伸び悩みました。特に2008年以降、大塚家具は販売管理の増大などにより利益率が激減、経常利益は大きく落ち込み、ニトリとは大きな差がついてしまっている状況です。
　
両社の直近2年の数値を見てみましょう。
ニトリの売上高経常利益率が16～17%、純利益率が10%程度であるのに対し、大塚家具は数パーセントと落ち込んでいます。

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大塚家具とニトリと直近の売上動向

続いて、大塚家具とニトリの最近の売上高について見てみましょう。
下記グラフは月次売上高の前年同月比推移をあらわしています。
　

(注)各社HP開示情報よりシミュライズまとめ。ニトリについては既存店の数値。
　

2014年4月の消費税増税以降、ニトリの売上高がほぼ前年比横ばいで推移している一方で、大塚家具の売上は前年を下まわるような推移が続いています。更にお家騒動が広がった今年3月には前年比大きく落ち込みました。
　

2014年3月は消費税増税前の駆け込み需要で大きく売上が伸びているため、今年3月の前年比数値がある程度落ち込むのは自然と言えます。ニトリの今年3月売上も前年比で約2割落ち込み81.9%となっていますが、これを2013年3月と比較すると、4％ほどのプラスです。一方、大塚家具の場合には、今年3月の売上の前年同月比は62.2%、一昨年対比は約17%のマイナスとなっており、こちらは騒動の影響が顕著にあらわれています。
　

現状、大塚家具の「大感謝セール」は好調に進んでいるようです。 今回広まった知名度も生かし、今後新体制下でどのような施策を打ち出し、どのように売上、および利益アップを図っていくのか注目されます。

大塚家具とニトリの初任給の比較

(注)各社、2016年度、新卒採用募集要項より
　

独身者地域手当を含めると月21万円 VS 23.6万円でニトリの方に軍配。 ただし、独身でない場合や東京、大阪、神奈川以外の勤務の場合などは大塚家具の方がよくなる。

大塚家具とニトリの役員報酬

有価証券届出書2014年度によると大塚家具では、
大塚 勝久氏の報酬総額は 1.1億円
大塚 勝久氏を除く取締役（社外取締役を除く）4人の報酬の総額は5,200万円、一人当たり平均 1,300万円
　

ニトリホールディングスでは、
似鳥 昭雄氏の報酬総額は2.46億円
似鳥 昭雄氏を除く取締役（社外取締役を除く）3人の報酬の総額は8,800万円、一人当たり平均 2,933万円

　
現状ではニトリホールディングが倍程度の金額となっています。
社内の競争で勝ち残り役員まで到達すると、この程度もらえることになります。

大塚家具、ニトリの生涯給与と年齢毎の給与推計

次に有価証券届出書や政府による統計データを用い、大塚家具、ニトリの従業員の生涯給与などの推計値を見てみましょう。

　
【大塚家具・ニトリホールディングスの生涯給与等推計値】

(注1）平均年齢、平均給与、平均勤続年数、従業員数は各社の有価証券届出書2014年度における公表値。
(注2) 生涯給与、30歳給与、35歳給与、40歳給与はシミュライズによる推計値

なお、ニトリホールディングスはグループの持株会社で、グループ全体からすると社員数は少なくなっています。 ただし、それでも約160人の社員がおり、社員の勤続年数も10年超と大塚家具と大きく変わらないことから、ニトリグループの中核社員を表しているデータとの想定で、同社で働き続けたと仮定する場合の生涯給与推計や大塚家具との比較に十分用ることができるとの考えで上記推計を行っています。

推計された生涯給与は、ニトリホールディングス2.69億円、大塚家具1.78億円となり、ニトリがかなりの差をつけています。

 
大塚家具、ニトリホールディングス社員の人生シミュレーション

それぞれの企業の35歳の典型的社員を想定し人生シミュレーションを行って違いを比べてみます。

前提は以下、

• それぞれの企業に勤める平均的社員35歳とし、大塚家具社員の給与460万円、ニトリホールディング社員の給与722万円
• ともに、2歳年下の配偶者、7歳と5歳の二人の子供がいると想定
• 現在の月間支出額は、年齢と年収に応じた統計データに沿ったものとする
  （賃貸住居費を含め大塚家具社員の給与29.1万円、ニトリホールディング社員の給与40.9万円）
• 自動車は200万円を7年毎に買替

上記前提のもと、二人の社員の65歳時の資産額想定、および、35～60歳まで（本人28歳～58歳）の想定年間支出額の平均は以下

　
貯蓄額で1,300万円弱、年間支出で140万円ほどニトリホールディング社員の方が有利な結果となりました。
ここでの結果は、あくまで平均像データをもとにした比較であります。実際には個々の家族構成や環境、教育費、また仕事の実績等たくさんの要因によって状況は異なってくることは言うまでもありません。
　

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