【支出】なか卯、牛丼に再参入-吉野家の12月値上げの影響は? 松屋、すき家とともに確認

2021/08/19

ゼンショーグループの丼ぶりと京風うどんの「なか卯」が3月11日より順次全国の店舗で和風牛丼を再登場させることを発表しました。 同グループの「すき家」が牛丼を主力としていることもあり、2014年2月に販売終了していましたが、今回再参入することになります。 販売終了時の和風牛丼は290円、今回は350円と値上げされて発売のようです。 牛丼大手3チェーンも含めてますます競争が激しさを増しそうです。

 

シミュライズでは牛丼大手3チェーン (吉野家、松屋、すき家)の牛丼価格の動きや販売動向についてこれまでもお伝えしてきました。昨年4月の消費税増税前には牛丼並の価格が280円で横並びだった大手3チェーンですが、昨年7月に松屋、8月にすき家、そして12月に吉野家がそれぞれ値上げを行っています。

 

今回、牛丼大手3チェーンの今年に入ってからの売上等データが明らかになりましたので、吉野家の12月値上げの影響などを中心に確認してみたいと思います。

 

なお、過去の価格動向などについては、下記の記事もぜひご覧ください。

 

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下記は、吉野家、松屋、すき家の牛丼(並) (松屋は牛めし(並))の価格推移をグラフ化しています。
(詳細については、上記の過去記事をご参照ください)

 Yoshinoya vs Matsuya 201412r

(注1)シミュライズ調べ(価格の正確性については、保証いたしかねます)
(注2)各チェーンのキャンペーン等を行っていない場合の標準値段
(注3)吉野家については、2004-2006年の間、松屋・すき家については、2004年中一時的にBSEの影響により販売停止

 

 

 

続いて、各チェーンの既存店売上高、客単価、客数の前年同月比を2013年1月以降でみてみましょう。
前年の同じ月の実績を100%としたときの、当月の実績をあらわしています。(100%が前年同月と同じ水準ということになります)

 

まず、売上高です。
Gyudon Uriage 201503

 (注)各社公表資料よりシミュライズまとめ

 

2013年中はほぼ前年実績を下回っていた松屋とすき家ですが、2014年に入って以降はおおむね前年比プラスの売上高を維持していることが分かります。 直近では、松屋の2月の売上高は10か月ぶりに前年を割り込む98.2%、すき家の2月の売上高は3か月連続プラスの105.0%となっています。

 

一方、吉野家は2013年の冬には牛すき鍋膳が大ヒットしたこともあり、12月から2014年3月まで大幅な前年比プラスの売上高を記録しましたが、その後は前年比マイナス圏へ。 2014年冬にも牛すき鍋膳を復活させたものの、11月のみしかその効果は売上高に現れず、12月以降は値上げの影響もありマイナス圏へ沈んでいます。 吉野家の2月の売上高は96.9%とかなり弱い数値となっています。

 

つづいて、客単価と客数でこれを確認してみましょう。

Gyudon Kyakutanka 201503
Gyudon Kyakusu 201503

(注)各社公表資料よりシミュライズまとめ

 

2014年に入ってから、大手3チェーンともに客単価が前年比プラス圏で徐々に伸びてきていることが分かります。特に吉野家は昨年12月の牛丼値上げの効果もあり2015年1月、2月に大幅に客単価が上昇しています。

 

一方、客数は2014年夏以降、松屋、すき家ともにマイナス圏となっていますが、吉野家は12月の値上げの影響がもろに出ており、1月は82.2%、2月は81.9%と前年から客数が2割程度と激しく減少しています。 吉野家は客単価が上昇したものの、客数の減少が激しく、売上の減少に響いていることが確認できました。

  

今後の各チェーンの戦略が注目されますが、シミュライズでは引き続きフォローしていきたいと思います。

 

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