【景気】【支出】コンビニエンスストア1月売上-10か月連続前年割れも、タバコの影響を除くとプラスに。個人消費は明るさ戻るのか。
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が20日発表の1月のコンビニエンスストア売上高は、既存店ベースで 7,124億円となり、前年同月比マイナス0.7%と、10か月連続の前年割れとなりました。 ただし、タバコの売上高減少分を勘案すると、前年よりプラスとなりました。
1月は平均気温が高かったものの、北日本以外で降水量が多かったため客数に影響がありました。一方、淹れたてコーヒーを含むカウンター商品や惣菜などは好調をキープし、全店、既存店ベースともに前年比プラスとなっています。
既存店ベースで、
- 来店客数12億4,161万人(前年同月比 -2.2%)が10ヶ月連続のマイナス
- 平均客単価614円(前年同月比 +1.0%)が4ヶ月連続のプラス
- 売上高7,124億円(前年同月比 -0.7%)は10ヶ月連続のマイナス
客単価が継続して伸びているのは明るいニュースです。 売上高のマイナス幅も徐々に減少し、タバコの影響を除くとプラスになっており、個人消費は少しずつ明るさを取り戻しつつあるのかもしれません。
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【コンビニエンスストア業界 売上高・店舗数の推移】
(注)一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会(JFA)データよりシミュライズ作成。 以下グラフも同様
【コンビニエンスストア業界 売上高の前年同月比 (2013年1月以降)】
業界全体の店舗数は拡大が続いており、それにともなって全店ベースの売上高、来店客数は増大しています。しかし、業界内での新規参入店舗との競争もあり、既存店の売上高は2014年4月の消費税増税以降は前年比マイナスです。ただし、客単価の上昇もあり、12月以降はマイナス幅が縮小しています。
続いて、既存店ベースの来店客数と客単価について確認します。
2008年以降の長期傾向として、既存店についても来店客数は増加をつづけてきたことがわかります。 ただし、過去2年間の下記グラフでは、来店客数は前年比マイナス圏です。一方でコーヒーを含むカウンター商品の充実等もあり、客単価はこのところプラス推移を続けています。
【既存店の客数と客単価の前年同月比 (2013年1月以降)】
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今月本決算の企業が多いコンビニ業界ですが、最後に昨年決算時点の主要コンビニエンスストアチェーンの売上高・前年伸びについて再度まとめておきます。
【コンビニエンスストア業界企業の売上高比較】
銘柄 コード |
企業名 | 売上高 (億円) |
前年比 |
3382 | セブン&アイ・ホールディングス | 3兆7,812 | 7.8% |
2651 | ローソン | 1兆9,372 | 1.7% |
8028 | ファミリーマート | 1兆7,219 | 8.7% |
9946 | ミニストップ | 3,499 | -0.8% |
7544 | スリーエフ | 885 | -9.5% |
7601 | ポプラ | 542 | -1.7% |
(注1) 各企業有価証券届出書よりシミュライズ作成
(注2) 各企業の国内コンビニエンスストア事業の売上高。自社とフランチャイズの合計。
上位陣と下位の差の拡大、セブンイレブンの圧倒的強さ、ファミリーマートの前年比の伸びなどが目立ちます。