結婚や出産の高齢化や女性の活躍の場の広がりを背景に30代の女性に注目を浴び始めている、卵子凍結。
以下のような女性が検討している。
・いつかは子どもが欲しいけど、まだまだ仕事がしたい
・今はパートナーがいない
・将来不妊になるかもしれないのが不安
どれくらいのコストでこの冷凍保存は実現できるのか?そこが知りたい。
2月に入り、浦安市の卵子凍結に関する補助金のニュースを聞いた方は多いかもしれない。
浦安市のニュースの要点は
1.千葉県浦安市と順天堂大学病院は、将来の妊娠と出産に備えて、女性の卵子の凍結保存を受け付け、市が凍結保存にかかる費用や技術者の人件費の一部を補助する計画を正式に発表しました。
2.採卵の対象年齢は20歳から34歳まで、凍結保存した卵子を体内に戻すのは原則として45歳まで
3.少子化対策として補助を実施し、浦安市民の場合は自己負担が3割程度となる方向で調整 ⇒ 保険が適用できないので非常にお得。
若いうちに卵子を採取し、冷凍保存し、それを将来パートナーの精子と受精させ、その受精卵を卵巣に戻すことで高齢になっても出産が可能となる技術だ。
そこで気になるのがその費用の全体像だ。 現在この卵子凍結の費用は保険適用ができず、基本的に全額自己負担である。
米国では一歩進んでいるようだ。
アップルやフェイスブックでは
米国の巨大ITカンパニーであるアップル社とフェイスブック社でも女性従業員が出産を先に延ばし、キャリア形成に専念しやすくしようとしている。両社は卵子凍結の費用を負担する。
米国でも卵子凍結には最大1万ドル(およそ120万円)の費用と毎年500ドル(およそ6万円)の保管料がかかる。
Facebookは既に、卵子凍結のために最大2万ドル(およそ240万円)の特典を全女性従業員に提供しており、Appleは今年1月から、費用負担を開始している。
そででは国内はどのようになっているのであろうか?
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凍結保存にかかる費用
ここでは幾つかの医療法人の実際の価格を確認してみたい。
オーク住吉産婦人科、オークなんばレディースクリニック、オーク梅田レディースクリニックと関西を中心とした医療法人。
不妊治療、人工授精・体外受精、妊婦健診、婦人科(産婦人科)、ダイエット外来等女性の医学を専門とするクリニックグループ。
そのオーク会の卵子凍結の流れは以下のように説明されています。
【採卵から凍結保存までの流れ】
1. 排卵誘発 効率よく卵子を採取するために、内服薬や注射などを使用し、複数の卵子を育てます。排卵誘発を全く行わず、自然に卵が育つのを待つ方法もあります。
2. 採卵 卵巣に針を刺して、卵子を採取します。 (「日帰り」でできる簡単な手術のような感じです。)
3. 凍結保存 超急速ガラス化保存法により液体窒素内で凍結保存を行います。
プロセス自体は日帰りの処置で簡単そうだ。(もちろん妊娠にはさらなるステップが必要です。)
医療法人のオークのホームページで費用の一覧を見ると以下のようになっている。
【凍結保存にかかる費用】
項目 | 料金 | 詳細 |
排卵誘発、超音波検査、診察、血液検査など | 約30,000円~ | 採卵準備のための GnRHa製剤(ブセレキュア)、排卵誘発剤(種類により値段が違います。)の料金が含まれます。 |
採卵(OPU) | 60,000円 | 2個まで |
上記に加え、1個あたり5,000円 | 3個~10個まで | |
上記に加え、1個あたり2,500円 | 11個目~ | |
卵子凍結作業料 | 30,000円+3,000円 × クライオトップ※1数 | |
凍結卵子保存料 | 数量・期間により月単価が異なります。 | 卵子の凍結保存料金表はコチラ >> |
凍結卵子融解作業料 | 1クライオトップあたり20,000円 | |
延長事務手数料 | 4,000円/回 |
表示金額は、全て税抜き価格です。
たとえば30個(10個のクライオトップ)の卵を5年保存したいとする。何個の卵子を何年保存するかで大きく金額は変わってくる。
検査がたとえば30,000円だと仮定すると、
- 検査費用 30,000円
- 採卵 150,000円(60,000円+5,000円×8+2,500円*20)
- 卵子凍結作業料 60,000円(30,000円+3,000円×10個(クライオトップ))
- 凍結卵子保存料 360,000円(表を参考にして600円/月*10個*12か月*5年)
- 凍結卵子融解作業料 200,000円
合計金額は800,000円となった。
(あくまでも公開されている情報から試算して概要を確認するためのものであり、詳細は医療法人オーク様または関連医療法人へお問い合わせください。)
これには体外受精などの妊娠するための料金は含まれていない。
通常は妊娠するために次のように進む必要がある。
- 凍結卵子の融解、採精
- 体外受精
- 胚移植
- 妊娠
卵子の個数や期間で大きく金額が変わることがわかった。健康な卵子をどれだけ保存できるか、あるいはするか、これは中々判断しづらい内容だ。
参考までに愛知県豊川市の藤澤フラウエンクリニクの例であると以下のような費用になっている。
- 排卵誘発剤など、採卵の準備に必要な料金:約27,000円
- 採卵と卵子凍結に必要な料金:21万円〜36万円(採卵する卵子の個数で変わります)
- 卵子を凍結保存するための料金:11,000円/年
- 体外受精など妊娠するための料金:20万〜26万円
これもやはり同じような金額(70万円前後)になりそうだ。
リプロセルバンクは現在は卵子凍結を直接個人の受付は行っていないが、参考までに金額を見てみると、
- 初期費用(提携先の婦人科での初診から入院・全身麻酔・採卵、同社での卵子凍結、初年度1年間の凍結卵子の輸送・保管管理費用)が、70万~100万円
- 2年目以降は卵子1個あたり1年間の保管料が1万500円である。
注意:リプロサポートメディカルリサーチセンター附属リプロセルフバンクは2015年3月1日より卵子保存に関するご相談の受付を終了致します。がん患者様の卵子凍結・卵巣組織凍結につきましても受付を終了致します。リプロセルフバンクへの各種お問い合せは下記のお問い合わせフォームからお願い致します。
詳細については更なる調査を継続していきたい。費用についてはこれからもモニタリングして当サイトでご報告していきます。
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