シミュライズではこれまで、公表された平均給与データなどから年齢毎の給与カーブを推計し、上場企業の企業毎の生涯給与の推計を行ったり、職種別の給与ランキングなどをお伝えしたりしてきました。
今回は、中小企業の業種別生涯給与をみてみたいと思います。
なお、上場企業の生涯給与などについては、ぜひこちらをご覧ください。
上場企業生涯給与ランキング2014年
ここでは、全国の事業所を調査している厚生労働省の平成25年賃金構造基本統計調査のデータを利用し、中企業(従業員数100人以上1,000人未満)、小企業(従業員数10人以上100人未満)について、業種毎に、各年齢の推計給与、および、毎年の給与を23歳から60歳までもらい続けたとする生涯給与についての推計をしています。なおここでは、上場企業の場合を同様に、バラつきの大きい退職金は生涯給与に含みません。
それでは、さっそく中小企業の推計生涯給与みてみましょう。
【中企業(従業員100~999人)の業種別 生涯給与】
業種 | 中企業の 生涯給与 (億円) |
中企業の 30歳給与 (万円) |
中企業の 35歳給与 (万円) |
中企業の 40歳給与 (万円) |
教育・学習支援業 | 2.34 | 426 | 519 | 617 |
電気・ガス・水道 | 2.29 | 450 | 542 | 629 |
情報通信業 | 2.27 | 472 | 564 | 630 |
金融・保険業 | 2.23 | 453 | 546 | 609 |
学術研究・専門技術 | 2.18 | 449 | 523 | 598 |
不動産業 | 2.07 | 427 | 494 | 561 |
建設業 | 1.97 | 419 | 470 | 522 |
卸売・小売業 | 1.76 | 377 | 430 | 487 |
製造業 | 1.71 | 388 | 432 | 474 |
医療・福祉 | 1.64 | 374 | 410 | 438 |
複合サービス事業 | 1.63 | 353 | 396 | 442 |
運輸業 | 1.55 | 373 | 406 | 438 |
生活関連・娯楽業 | 1.42 | 335 | 382 | 409 |
飲食店・宿泊業 | 1.32 | 308 | 348 | 377 |
(注1) 生涯給与、年齢毎の給与は厚生労働省による平成25年賃金構造基本統計調査等をもちいたシミュライズ推計値
(注2) 業種は同調査に用いられている日本標準産業分類による。ただし人数の少ない鉱業・採石業、および他に分類されないサービス業は除く
中企業のトップ3業種は、教育・学習支援業、電気・ガス・水道、情報通信業となっています。一方、最下位業種は、飲食店・宿泊業で、上位とは約1億円の生涯給与の開きがあります。
【小企業(従業員10~99人)の業種別 生涯給与】
業種 | 小企業の 生涯給与 (億円) |
小企業の 30歳給与 (万円) |
小企業の 35歳給与 (万円) |
小企業の 40歳給与 (万円) |
教育・学習支援業 | 1.66 | 345 | 386 | 433 |
電気・ガス・水道 | 1.82 | 391 | 441 | 494 |
情報通信業 | 1.91 | 371 | 444 | 512 |
金融・保険業 | 2.13 | 434 | 539 | 619 |
学術研究・専門技術 | 1.88 | 390 | 471 | 515 |
不動産業 | 1.66 | 361 | 416 | 462 |
建設業 | 1.54 | 356 | 400 | 429 |
卸売・小売業 | 1.53 | 332 | 379 | 433 |
製造業 | 1.43 | 333 | 368 | 399 |
医療・福祉 | 1.38 | 328 | 357 | 378 |
複合サービス事業 | 1.53 | 334 | 368 | 406 |
運輸業 | 1.38 | 358 | 375 | 379 |
生活関連・娯楽業 | 1.32 | 311 | 353 | 382 |
飲食店・宿泊業 | 1.17 | 288 | 319 | 334 |
(注1) 生涯給与、年齢毎の給与は厚生労働省による平成25年賃金構造基本統計調査等をもちいたシミュライズ推計値
(注2) 業種の表示順序は中企業のランキング順としています
小企業のトップ3業種は、金融・保険業、情報通信業、学術研究・専門技術となっており、電気・ガス・水道、教育・学習支援業が続きます。最下位業種は中企業と同じで飲食店・宿泊業。 やはり上位とは約1億円の生涯給与の開きがあります。
中企業と小企業の差をみると、 教育・学習支援業、電気・ガス・水道、不動産業などは同じ業種でも生涯給与で4,000万円~7,000万円程度の金額の開きがあります。 一方で、金融・保険業、生活関連・娯楽業などはほとんど差がない状況です。
つづいて、中企業の生涯給与トップの教育・学習支援業と最下位の飲食・宿泊業について、年齢毎の推計給与カーブをみてみましょう。
【教育・学習支援業と飲食・宿泊業の給与カーブ】
(注1) 給与は厚生労働省による平成25年賃金構造基本統計調査等によりシミュライズ推計の年間値
(注2) グラフ中の数値はピーク時の年収
給与の伸びも大きく生涯給与水準も高い教育・学習支援業では、中企業、小企業いずれにおいても50歳代後半まで給与が伸び続けています。 このことが、全体として給与の伸びが小さくカーブがフラットの飲食・宿泊業との大きな差となっています。 教育・学習支援業では年収のピークが50歳代後半、一方、飲食・宿泊業では40~50歳代前半にきています。
また、給与水準の高い教育・学習支援業では、中企業と小企業でかなりの開きがあるり、ピーク時の年収で250万円程度となります。 一方、飲食・宿泊業ではピーク時の年収の差も50万円程度と差が小さく、中小企業間での違いもほとんどみられません。
シミュライズでは、ライフプランシミュレーター「シミュライズ・コア」を用いた中小企業の人物像の分析についても今後進め、皆様にお伝えしていきます。
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