【景気】【支出】全国百貨店売上(12月)は9か月連続で前年比マイナス、回復は弱い。2014年年間では、わずかにプラス。
日本百貨店協会が19日発表の全国百貨店売上高は 7,107億円となり、前年同月比でマイナス1.7%と消費税増税後 9ヶ月連続で前年実績を下回りました。
2014年4月の消費税増税以前はおおむね前年比プラス圏で推移していましたが、2014年3月の駆け込み需要、4月の反動減の後は、なかなかプラス圏に浮上できない状況です。12月は、北日本を中心に降雪や雨量が多かったことから、クリスマス週を中心とした追い上げも及ばずマイナスとなっています。
(注)日本百貨店協会データよりシミュライズ作成。店舗数調整ベース。
この結果、2014年の年間売上高は0.3%と3年連続プラスとなりました。 日本百貨店協会ではこの理由として以下の点を挙げています。
- 各社が前倒しの期待できる商材や、反動減から回復の早い商材を事前に準備できた
- 企業業績の改善や賃上げなどによる下支え
- 10月以降のインバウンド効果
続いて今年4月以降の商品別売上高の前年同月増減率の推移を見てみます。
(注)日本百貨店協会データよりシミュライズ作成。店舗数調整ベース。
化粧品が前年比 5.7%と6か月連続プラスで好調をキープ。 さらに、増税の反動減で大きく落ち込んだ美術・宝飾・貴金属が前年比6.5%と大きく伸びてプラス圏に浮上しているのが目立ちます。
好調のインバウンド消費(訪日外国人消費)は引続き伸びていて、12月は単月ではじめて売上高100億円を超えています。 また、外国人のみならず、宝飾・貴金属が回復していくるなどプチ贅沢の気運は続いているといえるでしょう。
例えば三越伊勢丹ホールディングスは、旅行専門子会社の「三越伊勢丹旅行」を1/20に設立し、豪華バスや列車の移動で高級宿泊施設に泊まるような高額旅行プランを扱いはじめます。 45席設置可能な大型観光バスの座席をゆとりをもたせて10席に改造した三越オリジナルのラグジュアリーバス 「三越プレミアムクルーザー」 による移動を核とした商品などを企画しているようです。(三越伊勢丹によるプレスリリースより)
次に主要都市別の売上高前年同月比推移をみてます。
(注)日本百貨店協会データよりシミュライズ作成。店舗数調整ベース。
東京、大阪などでは、前年実績を上回りプラスとなっている一方で、地方都市ではマイナス幅が広がっていて弱さが目立ちます。