【支出】家計の改善はみられない。収入が増加しない中、物価上昇の重しで消費も伸びず。
個人の家計消費、景況感に関する直近の統計-家計調査報告・日銀生活意識に関するアンケート-について概要をお伝えします。
収入が増加しない中、物価の上昇で景況感がかなり悪化していて、消費もなかなか伸びがみられない(前年比マイナスが続く)状況です。
家計調査報告(総務省統計局)-2014年11月
全国の世帯を対象に家計の状況を抽出調査している2014年11月の家計調査報告
11月の家計調査報告は以下のようになっています。
- 消費支出は, 1世帯当たり 280,271円 (二人以上世帯)
- 前年同月比 実質 2.5%の減少
- 前年同月比 名目0.3%の増加
- 消費支出(除く住居等)は, 1世帯当たり 242,926円
- 前年同月比 実質0.9%の減少
- 前年同月比 名目2.0%の増加
- 勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり 431,543円
- 前年同月比 実質3.9%の減少
- 前年同月比 名目1.1%の減少
【家計調査(二人以上の世帯) 消費支出の前年同月比増減率の推移】
消費は2014年春の消費税増税以降、実質ベースでいまだ前年比マイナス圏。 なかなか増加する様子が見えない状況です。
勤労者世帯の収入も減少傾向が続き、物価上昇も見られる中、消費を控える様子が伝わります。
生活意識に関するアンケート調査(日銀)-2014年12月
生活者が現状において抱いている生活実感や、金融・経済環境の変化がもたらす生活者の意識や行動への影響を把握することにより、日本銀行の金融政策や業務運営の参考にすることを目的として、平成5年以降実施しています。
12月調査の景況感DI(良くなった-悪くなった)はマイナス32.9と、9月のマイナス20.4、6月のマイナス10から急速に悪化しています。 家計調査で消費が低迷している理由のひとつとして景況感の悪化があることが見てとれます。
1年後の予測景況感DIはマイナス30.5と現状よりわずかに良い水準です。
1年前と比べた暮らし向きのDIはマイナス47.2、前回9月のマイナス44.1、6月の39.8からさらに悪化しています。
「ゆとりがなくなった」と答えた人の中で、その理由としてあがっているもので急上昇しているのは
「物価があがったから」で71.1となっています。物価の上昇が生活の重しとなっている面が明らかです。