【支出】吉野家、松屋、すき家、3社の牛丼、価格推移-吉野家、値上げで松屋に並ぶ

2021/08/19

シミュライズでは牛丼大手3社の価格戦略について、これまで何度かお伝えしてきました。 今年春の消費税導入以降、松屋がプレミアム牛めし導入で実質値上げを行う一方、吉野家は消費税導入時に牛丼(並)を20円値上げしたもののその後静観を保ち、昨年は横並びだった各社の戦略が分かれるかたちとなりました。

 

その吉野家は本日(12/17) 価格改定を発表、牛丼(並)は現価格の300円から380円へ値上げされ、松屋のプレミアム牛めし(並)と価格が並ぶことになります。

 

吉野家の発表によると、値上げは12月17日15時からとされています。米国での干ばつの影響やアジア市場の需要拡大から米国産牛肉の価格が高騰しており、企業の合理化等のコスト削減では食材コストの上昇分を吸収できなくなったことが価格改定の理由としています。

 

なお、今回の値上げは、牛丼、牛カルビ丼に対して商品により80円~120円の幅で行われ、昨年冬にかなり好評を博し今年10月29日に再登場したた牛すき鍋膳は630円の価格を据え置くようです。

 

 

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下記は、吉野家、松屋、すき家の牛丼(並) (松屋は牛めし(並))の価格推移をグラフ化しています。

 Yoshinoya vs Matsuya 201412r

(注1)シミュライズ調べ(価格の正確性については、保証いたしかねます)
(注2)各社のキャンペーン等を行っていない場合の標準値段
(注3)吉野家については、2004-2006年の間、松屋・すき家については、2004年中一時的にBSEの影響により販売停止

 

2009年以降、すき家が先導して各社の値下げが相次ぎ、2013年には牛丼(並)280円で三社横並びの状態になり今年春の消費税導入を迎えました。 消費税導入の際、吉野家と松屋が10-20円の値上げをする一方で、すき家は値下げを行い、戦略が分かれました。 更に松屋がプレミアム牛めしで実質値上げを行うなど、今後各社の独自色が強まるかと思われましたが、結局今回、吉野家が松屋に並ぶこととなりました。 今後のすき家の動向が注目されるとこです。

 

より詳しい過去の価格推移については、下記の過去記事をご覧ください。
【支出】吉野家、松屋、すき家、3社の牛丼、価格推移-今年に入り各社の別々の価格戦略か?
【支出】吉野家、松屋、すき家、3社の牛丼、価格推移-各社の戦略アップデート

 

 

 

続いて、各社の既存店売上高、客数、客単価の前年同月比を昨年1月以降でみてみましょう。
GyudonUriage_201412r GyudonKyakusu_201412 GyudonTanka_201412

(注)各社公表資料よりシミュライズまとめ

 

吉野家は2013年4月に牛丼を値下げ(牛丼(並)で380円から280円へ)したことから、客数は伸びたものの客単価が落ち込みました。 売上高(前年同期比)の推移をみると、同値下げは売上には短期的な効果しかなかったと想像できます。 その後、冬に高価格帯の牛すき鍋膳を発売開始したことで客単価は上昇、牛すき鍋膳は大きく売上高に貢献したと思われます。

 

吉野家は今回、2014年10月終わりに牛すき鍋膳を再開したことで、11月の客単価、売上は前年同月比で大きく伸びました。 円安等による物価上昇が一般消費者レベルで肌で感じられるようになり、ものの値段が上がることに対する抵抗感がやや薄くなっているようにも思われるこのタイミングで主力の牛丼の値上げを行い、さらに収益アップをはかる戦略ともみてとれます。 今後の売り上げ動向等も注目されます。

 

シミュライズでは引き続き、各社の戦略や価格動向をフォローしていきます。

 

 

 

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