【収入】生涯給与ランキング2014 石油・石炭製品 - JXホールディングストップ保持、ニチレキ大きく伸びる

2021/08/19

上場企業の2014年3月末の決算情報を用いた、主要業種の生涯給与ランキング・アップデート。今回は、国内における石油製品価格上昇により売上増を示した企業の多い石油・石炭製品業界です。

 

今回は、集計される全13社の生涯給与ランキング、各社業績情報アップデート、更に、財務データからみえる将来の給与動向を展望してみたいと思います。

 

2014生涯給与ランキング — 石油・石炭製品

順位 銘柄
コード
  会社名  生涯給与
 (億円)
前年変化  40歳給与
 (万円)
平均
年齢 
平均給与
 (万円)
1 5020 JXホールディングス 3.91 -2.0% 1,069 44.5 1,157
2 5012 東燃ゼネラル石油 3.28 -0.3% 899 40.7 912
3 5002 昭和シェル石油 3.16 -2.0% 864 44.5 935
4 5019 出光興産 2.98 -8.1% 817 42.5 858
5 5015 ビーピー・カストロール 2.94 -4.6% 805 42.3 843
6 5017 富士石油 2.76 1.9% 755 46.5 841
7 5018 MORESCO 2.53 0.4% 693 40.5 700
8 5011 ニチレキ 2.53 11.6% 691 41.8 718
9 5007 コスモ石油 2.40 -8.2% 656 41.8 681
10 5008 東亜石油 2.37 -5.8% 648 46.0 717
11 5013 ユシロ化学工業 2.33 -1.5% 637 39.9 636
12 3315 日本コークス工業 2.04 - 576 43.0 586
13 5010 日本精蝋 2.03 -3.1% 554 39.8 552

(注1) 生涯給与、40歳給与は、各社の有価証券届出書データを用い、シミュライズ給与カーブモデルによる推計値
(注2) 平均年齢、平均年収は企業による公表値
(注3) 前年変化は、生涯給与の前年度推計値からの変化
(注4) 業種の分類は東証分類によるものの一部弊社独自の分類を加味。なお、平均給与を公表していない企業、従業員数が少ない企業等を除く

 

 

ランキング上位は昨年と大きく変わらず、トップは売上でも業界首位のJXホールディングス(株)。 同社は、新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合する際に誕生した従業員数100人程度の持ち株会社。 前年比売上増なるも、生涯給与を800万ほど減らしています。

 

2位以下も給与を減らす企業が多い中、目立ったのが、生涯給与を2600万円と大きく伸ばし、前年11位から8位にアップしたニチレキ(株)。 同社は舗装材料などを製造・販売するメーカーで、改質アスファルト乳剤などでトップの企業で、売上高、経常利益とも、業界内でトップ級の伸びを示しました。

 

ランキング各社の業績まとめ (連結ベース)

銘柄
コード
会社名 売上高
(億円)
前年
変化
経常利益
(億円)
前年
変化
ROE
5020 JXホールディングス 124,120 10.6% 3,023 -7.9% 5.0%
5012 東燃ゼネラル石油 32,412 15.6% 498 121.1% 7.8%
5002 昭和シェル石油 29,538 12.3% 762 501.3% 20.1%
5019 出光興産 50,350 15.1% 819 -24.9% 5.2%
5015 ビーピー・カストロール 134 3.0% 26 -8.6% 13.7%
5017 富士石油 7,029 -9.9% -101 -15.8%
5018 MORESCO 237 18.7% 20 72.1% 12.6%
5011 ニチレキ 695 24.0% 79 131.2% 11.0%
5007 コスモ石油 35,378 11.7% 418 -13.6% 1.9%
5008 東亜石油 305 -8.3% 6 -35.6% 2.7%
5013 ユシロ化学工業 268 10.8% 23 41.5% 6.2%
3315 日本コークス工業 1,090 -3.2% 62 18.0% 7.2%
5010 日本精蝋 395 -1.3% 3 29.7% 3.3%

 (注1) 連結ベース。有価証券報告書等を基にシミュライズ作成

 

続いて、企業の直近年度の財務情報を用いて今後の給与動向を探れるよう、いくつかの財務データを見ていきたいと思います。ここで取り上げる指標は以下になります。

 

① 配当性向 当期純利益に対して配当金支払額の占める割合。 利益をどれだけ株主に配当しているかを示す
② ROE 当期純利益を純資産合計で割った指数。投下資本に対して企業の稼ぐ力を示す総合的な指数といえる
③ 経常利益(従業員一人当たり) 経常利益を従業員数で割った数値
④ 純資産額(従業員一人当たり) 純資産額を従業員数で割った数値
⑤ 現金等(従業員一人当たり) 現預金(同等物も含む)を従業員数で割った数値

 

ランキング各社の配当性向・ROE・従業員一人当り財務データまとめ (平均給与公表企業単独ベース)

銘柄
コード
会社名 配当性向 ROE 経常利益
(一人当たり)
純資産額
(一人当たり)
現金等
(一人当たり)
5020 JXホールディングス 91.6% 3.4% 434.1 12,426.3 0.4
5012 東燃ゼネラル石油 52.9% 9.8% 24.2 165.0 9.0
5002 昭和シェル石油 38.3% 15.6% 56.7 251.7 18.2
5019 出光興産 29.1% 5.2% 10.6 127.9 16.1
5015 ビーピー・カストロール 36.1% 14.5% 23.1 95.9 0.8
5017 富士石油 5.8% 10.8% -11.6 158.1 17.0
5018 MORESCO 35.4% 11.1% 4.3 27.7 1.2
5011 ニチレキ 25.0% 9.1% 11.0 74.4 30.6
5007 コスモ石油 5.9% 18.3% 0.9 93.3 43.2
5008 東亜石油 177.8% 1.4% -0.5 45.1 0.0
5013 ユシロ化学工業 51.4% 5.3% 3.6 55.1 6.5
3315 日本コークス工業 32.1% 7.2% 10.2 73.2 1.8
5010 日本精蝋 47.8% 3.5% 1.2 46.1 1.5

(注)金額は百万円

 

ROEは企業の総合的な稼ぐ力、 配当性向は企業の株主への利益還元姿勢を示します。 ROEが一定水準以上あり配当性向の高い企業は、今後も収益を稼ぎながら従業員への還元も続けて行く可能性が相応に高いと考えられます。 また、従業員一人当たりでみた経常利益、純資産額の高い企業は、安定しつつ効率的に収益を稼いでいると言えます。現金等の増大は経営の立場から従業員給与を増やす余地が大きいと考えられます。

 

上記表を見ると、ROEが一定水準であり、配当性向が相応に高い企業として、東燃ゼネラル石油、昭和シェル石油、ビーピー・カストロール、MORESCO、ニチレキ等があげられます。 これと従業員一人当たりのデータのバランスを考慮すると、今後の給与の伸びが期待できる企業として、東燃ゼネラル石油、昭和シェル石油、ニチレキ の三社が考えられます。

 

シミュライズでは引続き、給与動向を見ていきたいと思います。

 

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