【支出】吉野家、松屋、すき家、3社の牛丼、価格推移-今年に入り各社の別々の価格戦略か?

2021/08/19

これまでお互いを意識した値下げ競争である意味足並みがそろっていた牛丼大手3社の戦略ですが、今年の消費税増税に向けた動き以降、それぞれ別々の狙いで動き出しているように見えます。ちょうど今日から、話題となった松屋のプレミアム牛めしが販売されています。これまでとあまり味の違いがないとの声も聞かれる中、今後の各社の動きを見ていく上で、ここではまず各社牛丼(並)のこれまでの値段の推移を見てみたいと思います。

 

下記は、吉野家、松屋、すき家の牛丼(並) (松屋は牛めし(並))の価格推移をグラフ化しています。

なお、吉野家のより長期の値段の動きについては、前回記事をご覧ください。

→ 吉野家牛丼とマックバーガーの価格推移。一生で車2台分食べているなんて。。

 

 

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(注1)シミュライズ調べ(価格の正確性については、保証いたしかねます)
(注2)各社のキャンペーン等を行っていない場合の標準値段
(注3)吉野家については、2004-2006年の間、松屋・すき家については、2004年中一時的にBSEの影響により販売停止

 

2000年台初頭に、松屋が主導する形で、各社は牛丼(並)を280円-290円へと値下し、激しい値下げ競争に突入しました。その後、BSEの影響により2004年に各社とも一時牛丼の販売を停止、再開後は以前より値上げされた300円台後半となりました。以後は、各社とも期限付きの値下げ販売キャンペーンを行ったりしていましたが、2009年に今度はすき家が新たな値下げを主導し、2013年には各社が280円で横並びとなる消耗戦が繰り広げられていました。

 

2014年に入り消費税増税に向けた動きの中で各社の価格戦略に違いが見えてきました。4月以降、松屋と吉野家が10円-20円の値上げを行う一方で、すき家は更なる値下げで牛丼(並)を270円に。更に、この7月に今度は、松屋が前述のプレミアム牛めし導入により (一部店舗を除き、従来の牛めしは販売終了と公表)事実上、一気に380円へと値上げを行いました。

 

 

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3社で価格戦略の違いが見られるようになったわけですが、各社の売上高(牛丼以外の売り上げも含む)と牛丼店の店舗数の推移を見てみると、その背景が少しだけ想像できます。

 

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(注)有価証券報告書等よりシミュライズ調べ

 

2005年に売上高で、そして2008年には牛丼店舗数で吉野家ホールディングスを上回ったゼンショーホールディングス(すき家)は、その規模の利益を利用し、2009年以降の値下げも先導する形で、売上、店舗数共に順調に伸ばしてきました。 もちろん、顧客数や顧客単価の動向によっては、値下げにより今後も売上高、ひいては利益が想定通りに伸びるとは限りませんが、今回もこれまで同様値下げで勝負にでているように見えます。一方で業界3位の松屋は、これまでとは別の戦略を取り始めたように見受けられます。

 

ファーストフード好きには注目される牛丼各社の動き。シミュライズでは、引続き各社の動向を追っていきたいと思います。

 

2014年12月9日の吉野家による牛丼値上げについての最新記事はこちらへどうぞ。
【支出】吉野家、松屋、すき家、3社の牛丼、価格推移-吉野家、値上げで松屋に並ぶ

 

また、シミュライズでは企業の報告データから創り出されたサンプル人格(シムラ―)を「企業シムラ―」と呼び、自分の将来を見て考えるシステム ”シミュライズコア” を用いていろいろ試せるようになっています。 下記記事にて、吉野家ホールディングスと松屋フーズのサンプル社員の人生設計をみていますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

 

【人生設計】吉野家ホールディングスと松屋フーズ-牛丼チェーン大手2社のの社員、生涯給与と人生設計はどう違う?

 

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